パウル・クレーおわらないアトリエ

 

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東京国立近代美術館で開催中の 「パウル・クレー おわらないアトリエ」展

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クレーは、とても好きな画家なので2009年には 『ピカソとクレーの生きた時代』にも行きました。 (過去記事は こちら) 今回は時代や内面よりも、製作過程に焦点をあてた展示方法ということでしたが 私はミュンヘン、ヴァイマール、デッサウ、デュッセルドルフ、ベルン それぞれのアトリエの再現をした前半の小部屋がよかったな。

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《庭園建築のプラン》 1920年 題名が画布のうえでどう表現されているのかはよくわからないのですが うーん、線が庭園内の小路で おおまかな花の色彩計画がなされているのかな、とか。 クレーは「芸術の役割は見えるものを表現することではなく、 見えないものを見えるようにすることである」と語っていたそうで

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《襲われた場所》 1922年 大きな謎の矢印。 ふんふんと眺めた後、やっぱり気になる、って 足をふたたび向けさせる力がある。 生涯手放すことなく手元においておいた作品のひとつだそう。」

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《円の中の魚たち》 1926年 クレーの魚はこんなふうだけど

 

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《花ひらいて》 1934年 今回、もっともときめいたのがこの画。 カンバスの裏面にはまったく別の画が書いてあってそれもまた驚き。 裏面の作品はこちらで見られます この前年にヒトラーが首相となり、ユダヤ人と見做されて弾圧がはじまったのだけれど 画面からは、ほのかに放たれる清らかな光を感じる。

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《獣たちが出会う》 1938年 この頃には皮膚硬化症が発症し、 ナチスに「退廃芸術」とされた作品が没収されています。 ユーモラスではあるけれど、ちょっと暗さも感じるのはそのせいかな。

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《山への衝動》 1939年 これも晩年の作品。 会場では作品の下絵を転写し、着色した作品や いちど完成した作品を切り離したりつなぎ合わせたりした 過程が紹介されています。 興味のある方は国立近代美術館へ。 7/31(日)までの開催です。 では、また~