ニッポンの「カワイイ」たち * ネオテニー・ジャパンなど

 

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最近行ったその他の美術展はこちら。 気付いてみれば 『忘れえぬ』ロシア以外はぜーんぶ日本美術。 その、すべてをつなぐキーワードは 「カワイイ」かな。

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東京藝術大学大学美術館へ行くのは初めて。 ここには上村松園の≪序の舞≫や≪草紙洗小町≫も 収蔵されているんですよね~。

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でも、今回は『尼門跡寺院の世界-皇女たちの信仰と御所文化』 を観るために訪れました。 ちらしの写真は法要で仏に花を捧げるために使われる散華。 ひとつひとつが手書きで これらの展示品の多くは芸術に素養をもつ 尼僧たちの手によるもの。 また、淀君からの寄贈の品などもありました。

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10才に届くか届かないような年齢で御所を離れ 尼寺で祈りの生活に身を捧げる皇女の生活を とり囲む品々が展示されていました。 成長すれば落とすことが決まっている身なのに 髪が美しくなるよう願いをこめられた刺繍の 幼い日の衣装があったり 婚約者が亡くなることにより尼となった姫君が その婚約者から贈られた遺品が展示されていて ちょっと切ない。

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幼い姫君を慰めるために 持ち込まれた動物たち

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この犬は手足が動かせるみたい 展示されているときは 後ろ脚で耳を掻いていたもの

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これは雅楽かるた。 皇女としての教養を高めるための道具も かるたやすごろく、貝合わせが用いられて すべてがやさしく、愛らしい。 会期は6月14日まで。 記事が遅くなってしまい申し訳ないのですが 尼門跡寺院のほとんどが非公開であり 巡回もないということですので興味をもたれた方は ぜひ足をはこばれてはいかがでしょうか。

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で、次は芸大の中に見える このカフェに入ってみたいなぁ なんてチェックして 清らかで静謐な生活に心を洗われ いっぽうでは、 祈りの生活に身を捧げるのは なまぐさい政治や戦の世界に生きる 父や兄のためでもあったんだろう など、想像し・・・・・・・・ 豊かで不自由な生活に ルーブル展で見たマリー・アントワネットの 生活用品を思い出しました。

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この日は2本立てのお約束。 雨が降りはじめた上野公園で 「ここで音楽が聴けるのね。入ってみたいけど」 なんて話しつつ足早に 旧東京音楽学校の音楽ホールの横をぬけ 次の美術展へと向かいます。

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上野の森美術館で開催中の 『ネオテニー・ジャパン』は このポスターを見て「絶対に行こう!!」と決めていました。 これね、実はふたつの作品を組み合わせたもの。 腰がぬけちゃうよ~! オオカミはワンピースの袖なの。

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ネオテニーとは幼形成熟という意味で、 動物学や生物発達学で 幼いまま性的に成熟する進化の過程をさすそうです。 うーん、日本ってそういう文化だよね。 否定できないーーー。 むしろ肯定的に捉えてしまう姿勢には カッコよささえ感じたりして。 私も最近は「カワイイものが好きです」って 胸張っちゃうもんね(←居直ってるともいう・笑)

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33名による絵画、立体、インスタレーションなど80点すべてが 高橋コレクションという個人によるものとは驚き。 今回はじめて知ったのですが、 高橋龍太郎氏は日本屈指の現代アートの収集家なのだそうです。 日比谷にあるという高橋コレクションにも いつか行ってみようっと。

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うふふ、作品のおしりで 外からもその雰囲気がつかめますが 巡回中ということなので、 現代アートがお好きな方も、 そうでない方もこれを機会にいちど ふれてみられることをお勧めしたいな。  7/21~ 9/10 新潟県立近代美術館   9/19~11/29 秋田県立近代美術館  12/13~2010/2/11 米子市美術館

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午前中の清らかな仏様とうってかわって 午後の千手観音は拳銃を携えていたり そのギャップがあるようでいながらも 共通するやさしさ、かわいらしさの流れも感じるね なんて話しながら 「ふたつともとっても素敵な展覧会だから」と 誘った手前、そのとおりでよかった~と 胸をなでおろしました。

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そして、ごめんなさい、こちらも終了してしまいましたが 横浜開港150年記念にそごう美術館で開催されていたのは 『川上澄生展』 川上澄生は3歳まで過ごした横浜に とても愛着を持っていたということで 「あんまり長くいなかったのね」と思いつつも 江戸ッ子は3代続かないと江戸ッ子と呼べないけれど ハマっ子は3日住めば名乗っていいって言うしね(笑) 画面からハマっ子気質が感じられるのは気のせい?? 和洋折衷というか やみくもに西洋に憧れるだでなく、 貪欲に洋をとりこんで咀嚼している力強さが よいわ~

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ルソーを敬愛していたと知り納得。 なんとなく共通するものを感じるもの。 私もルソー好きだし^^。

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多くの作品が栃木の 鹿沼市立川上澄生美術館から出品されていましたが 日本民藝館の所蔵という品もあり 旧前田侯爵邸とあわせて行ってみたいと思っていた日本民藝館に やっぱりいつか行かねば~。 と、行きたい場所がどんどん増えるのであった。

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鏑木清方美術館と、もうひとつの旧前田侯爵邸に行った話は 長くなるので(笑)またこんど。 ちょっと話はそれますが ニッポンつながりで

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岡本太郎の壁画を横目に出かけたのは

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勝沼の料理とワインが飲めるお店。 お店のお勧めはイケダワイナリー。

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山梨では黒毛和牛にワインを与えて飼育しているということで 「それを食べてみたいの」という後輩のリクエストで出かけました。 これはワインビーフのタタキ。

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同じ土地の料理とワインの相性はぴったり。 赤も飲みたいよね~ ということでイケダワイナリーの赤をおかわり。

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ワインビーフの赤ワイン煮もつまみながら 他愛もない話で盛り上がった夜でした。 さらに、おまけ

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「いつか行きたい場所リスト」のひとつが この大倉山記念館でした。 いかにも私が好きそうでしょ(笑) こちらで毎週開催されている「水曜コンサート」のチケットをいただいたので 行ってきました。

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内部から天井を見上げるとこんなふう。

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プログラムを確認すると 知っている曲がいくつかあって ほっ。

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「チェロとコントラバスによる楽興の時」という演目で ピアノ曲をアレンジした内容になっていました。 だから知っている曲があったのね^^

シューベルト 楽興の時 Op.94 第3番 プログラムのタイトルにもなっているこの曲は 中学時代かな、高校時代かな、 私も頑張って練習した記憶が蘇ります。

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ホロヴィッツほど軽やかに弾けたはずはなく よろよろと必死に聴こえただろうなぁ(笑)

そして、アンコールはサンサーンスの『白鳥』。 そういえばチェロもコントラバスも 楽器を抱擁しながらの演奏なのね。 絹のように艶やかでなめらかな音色とあいまって 夢見心地の夜でした。

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では、また~ p.s. にこちゃんへ ネオテニージャパンに再現されていた 「なすび画廊」ってこんなのです^^ なすび画廊HPは、ここ