2018年6月 岩手県大槌町
東日本大震災後、東北とのご縁をいただきました。
我が家は先祖神奈川県に根を下ろす土着民。親戚もみな近くに居り「田舎」というものを持ちません。それがなぜ足しげく東北へ通うようになったかと問われても「ご縁」としか言いようがなく。。。。
あえて言えば奥州藤原氏の頃からの鎌倉をはじめとした神奈川県とのつながりでしょうか。きっと遠いご先祖様が関係しているのね、ということにして。
今回の往路は池袋から「けせんライナー」に乗り高速バスの旅。
眠れたような、眠れていないような。。。。
「東京」をひきずった頭で早朝に釜石到着。
ラグビーワールドカップを祝福する看板や、駅前の新しいホテル。
町の活力に目を覚まされました。
乗り換えたバスの車窓の景色を眺めながら
「ミッフィーカフェに寄ったのは何年前のことだっけ?」などなど
少しづつ現地モードに戻っていく一行。
通いなれた45号線を北上し、懐かしい場所へ。
目的地は、災害ボランティア仲間が2011年のGWに初めての作業で訪れた大槌町のお宅。
いまも農作業のお手伝いに通う、同窓会のような旅です。
お花農家を営むお宅です。
at Uenos' Flower Farm, Ootsuchi, Iwate. Pref.#calla #callalily #zantedeschia
いま咲いているのはアルストロメリアやカラーなど。
今年もお手伝いをする作業はトルコキキョウの脇芽つみ。
こちらに通うようになってからトルコキキョウの切り花を見るとここのハウスを思い出すようになりました。
初めての訪問↓
1年ぶりの作業にコツや手順を確認しながら、ときどき毛虫に驚く声が響くほか
慣れた手つきで、みな淡々と黙々と。
昼食をはさみ、杭打ちと網かけをして作業終了。
嵩上げが終わり、復興が進む大槌町。
夕食前に町の様子を見てくることを勧められ、作業着のままだけどまぁいいか、ということで車をお借りして町の中心部へ移動。
当時の町長と職員40名がこの場所で津波の被害にあい、亡くなりました。
震災遺構としての保全か、解体か塾講と議論が重ねられてきましたが
2018年度中の解体が決まり、この6月から作業が始まるとのことでした。
あの日から止まった時計
たとえば鎌倉の大仏は野ざらしの姿を留めることによって、過去に津波がそこまで到達したことをいまを生きるわたしたちに教えてくれています。
震災遺構は必要だとは思うけれど、実際に被害をうけた方たちの気持ちを思うと、やみくもに残すのが善だと口にすることもできず。
充分に時間をかけて結論を出した大槌町のひとびとの姿勢を尊敬します。
旧大槌町役場から道路をはさみ隣接したエリアには大槌町文化交流センター(おしゃっち)が新設されていました。
大槌町文化交流センター(愛称:おしゃっち)のオープンのお知らせ | 大槌町
新しい館内に漂う木の香りは希望の香り。
写真左の低くなっている階段下の高さが嵩上げ前の地面です。
かなりの高さの盛り土をしたことがわかります。
一軒一軒の屋根にアクリル板に手書きされた表札。
さまざまな場所にそれぞれに思い出の表札も。
伝統芸能も盛んで、それまでまったく無関心だった郷土芸能や民謡にはじめて心動かされたのもここ大槌でした。
沿岸各地で見られる虎舞も、個人的には大槌のものがいちばんカッコいいと思っています。↓
2階には震災伝承展示室がありました。
忘れたいこと、忘れてはいけないことがこの部屋にありました。
3階は図書室。
町民ではないので利用は遠慮して階下へ。
徒歩3分ほどの旧JR山田線大槌駅へと向かいました。
2011年3月から運休している山田線は、宮古-釜石間が三陸鉄道へ移管され、2019年度の再開をめざし工事が進められています。
駅舎も姿を見せはじめていました。
そして城山公園へ登り、市内を見降ろします。
2018年6月、今回の町の様子。
同じ場所からの2016年5月の景色。
少し角度の違う同じ場所からの2014年3月の写真。
震災直後は自然、殊に水の怖さを心に刻み込まれる場所でした。
移り変わりを知ったいまでは、同時にひとの逞しさも感じるようになりました。
今回の旅の宿は小川旅館。
気さくなご主人は、ひょうたん島を象ったパンを焼いてくださったり
東京大学から寄贈された一人乗りの電気自動車や
大槌町をドローンで撮った映像とドローン現物を見せてくださったり。
多趣味で多芸で親切な方でした。
翌朝マストの停留所発のバスに乗り帰路につきました。
ここは2011年8月に初めて大槌に立った場所。
その時は再開のイメージがまったくわかなかったけれど、いまは普通の大型スーパーとして普通に営業していることが嬉しく、いつも「かもめの玉子」を買って帰ります。
次はSL銀河にも乗りたいなー。
お祭りとか、ちゃんと調べて来よう。
今回の旅のお土産。
同行の上野組のみなさま、ありがとうございました。
今後ともよろしくお願いいたします。
また来るぜ!東北!!