斑鳩の里をたずねて * 秋の奈良へ
よく遊び、よく働く。 何事もバランスが大事よね。 旅のあとは日常生活を頑張らないと。 プレッシャーの大きな仕事があったり 大掃除・・・・・をする気力がないので、ちまちまと抽斗を片付けたり 年賀状の印刷をしたり。 運動不足の解消に水泳もして、書きかけのブログ記事は ごめんなさい、遅々として進みませんでした。
そんなわけで、あっという間にひと月前の出来事となってしまった はじめてのひとり旅の続きです。
二日目の奈良へ来たのは5年ぶり・・・かな。 料理クンが通っていた中学の修学旅行は戸隠で 入学が決まった高校修学旅行先はパリとフィレンツェ。 えーーっ、清水の舞台と奈良の大仏見ないうちにヨーロッパなんて 順番が違うんじゃなーい? (って私の偏見ですが) んじゃ、私が連れてく! ということで、京都は清水寺に金閣寺、龍安寺に二条城 建仁寺と高台寺も行ったっけ、という正統派コースを。 奈良はもちろん東大寺に興福寺の観光をしました。 今回は、ちょっと足を延ばして斑鳩まで。 ====
奈良駅から1時間に1本出発するバスに乗り 前夜は遅くまで出かけていたのでうとうとしながら1時間。 法隆寺に到着しました。
中学校の卒業以来の場所なので、 おぼろな記憶をさぐってみたけど うーん、こんなところだったかな。 遷都1300年祭は終わってしまっていたけれど まだまだ観光客は少なくない。
この日、たくさん観た五重塔。 パンフレットによると、釈尊の遺骨を奉安するためのものであり 仏教寺院において最も重要な建物だそう。 なるほど、大きな寺院には必ずあるわけだ。
飛鳥時代の仏像や建築って、インドの影響が強くて ユーモアというか茶目っ気を感じて好き。
足元から狛犬が見上げていたり
屋根の上にも狛犬。
こちらは鬼瓦ならぬ桃瓦。 ご朱印をいただいて、料理クンのお土産に数珠を買いました。 そして、八頭身の優美な百済観音様は 想像していたよりもずーっと長身な209cmのお姿。 この旅の直前はじっくり計画を立てる時間的な余裕がなく、 春に友達に貰ったオレンジ色表紙のメモ帳に、 少しづつ書きためてあった「行きたい場所」リストを元にスケジュールを立てていましたが 百済観音様を前にして あぁ、私このお姿を拝見したくてここまで来たんだった!! と思いだしたのでした。 その他にも大宝蔵院には懐かしい玉虫厨子もあって 何故玉虫?? できた時はキレイだったかもしれないけど 昆虫はちょっとねぇ・・・生理的にねぇ・・・・ と、中学の時と同じ感想を持ち
入口の鳳凰に挨拶をして、開扉期間中だった夢殿で 聖徳太子の等身像といわれる救世観音を拝見。 大宝蔵院にも太子の像はたくさんあったけれど 小柄な方だったのね。
そして、この日のメインの目的地である中宮寺へ。 夢殿の隣に位置するこちらは、聖徳太子の母君によって創建された 斑鳩御所(いかるがごしょ)とも呼ばれた尼門跡です。
門をくぐって入る人影はとても少なくて落ち着いた雰囲気。 建築の細部に女性らしさを感じさせて、菊瓦もあったよ。 可愛いグッズも販売していて、 来年の干支だしね、って兔の絵つきの土鈴を買いました。
本堂には本尊菩薩半跏像(如意輪観世音菩薩)。 十人ほどの拝観者しかいない畳敷きの堂内で 2mほどの近さで相対することができました。 穏やかな美に心をうたれて時が止まったような錯覚。 慈悲深いお顔って、こういうこというんだろうな。 心の深いところが鎮まるような なんだか本当に守られているような気さえしてくる。
神様フェチで、神社も教会も好きだけど あぁ、やっぱり私って仏教徒だったんだ・・・・ って自覚が芽生えたよ。
なんだかとっても安らかな心持ち。 次の目的地に向かう予定だけど奈良は交通手段が少ないようで 散歩がてらちょっと歩いてみようかな。
ここが斑鳩の里なのかぁ・・・・・。
入ってみようかな、と思ったけど 今日はいいかな、と法輪寺を通り過ぎて あぜ道の菊の群生を眺めながら てくてくてくてく・・・・・。
歩き疲れたらタクシーでもつかまえようかな、と思ってたけど 観光客や地元の人も車もほとんど見かけないの。 考え甘かったなぁ・・・と思ったけど誰かに「ごめんね」ってする必要もないので ま、いっか、って てくてくてくてく・・・・・。
こっちのお寺は入ってみたいな、と門をくぐった法起寺は 日本最初の世界遺産なんですって。 ふぅん、知らなかった。 パンフレットによると、創建は聖徳太子が、その長子の山背の大兄王に 岡本宮を寺に改めるよう推古30年(622)に遺言した、というところかしら。 706年に完成した三重の塔は現存する日本最古のものだそう。 西暦が3桁、というところで目がテンになる。。。
落ち葉とどんぐりを踏みしめて タイムスリップ気分。
空が広いなぁ・・・・ 次に来る時は自転車借りたほうがいいね と思いながら歩くサイクリングロードには 万葉の歌碑がありました。
山吹の 咲きたる野辺の つぼすみれ この春の雨に 盛りなりけり
巻八 一四四四 高田女王 このうた、知りませんでした。 こっちはわかる。
熟田津に 船乗りせむと 月待てば 潮もかなひぬ 今は漕ぎ出でな
巻一 八 額田王 市境をすぎ、行政区分が変わると急に民家が増えてきて あ、斑鳩は単なる田舎じゃなくて里の風景を守っていたのね、って気付く。
結局1時間ほど歩いてたどり着いたのがこちらの 慈光院。 「奈良・西の京・斑鳩回遊ライン」という定期観光バスを利用すると 奈良駅→法隆寺→中宮寺→慈光院(抹茶の賞味)→薬師寺→唐招提寺 →朱雀門(平城京の正門)→奈良駅 と、効率よくまわれるようですが、 調べてみると、こちらのお寺は茶人である片桐石見守貞昌(石州)が 境内全体を一つの茶席の風情になるように設計したお寺だとか。
精進料理も食べられるそうなので、お抹茶だけじゃなく ランチもここがいいなぁ・・・・・と、不便を承知で歩いてきたの。
写真、ちょっと箸つけちゃってますが・・・ ぉお、1時間歩いてきた甲斐があるってものです♪ デザートにフルーツもついていました。 (要予約ですが、ご興味のあるかたはこちらのhpをどうぞ)
エネルギーも補給したことだし そろそろ次の目的地へ向かいます。
で、不用意な楽観から 結局また1時間歩くことになり。 携帯メールが届いたりしてたので それほど寂しくはなかったけど でも、次からはこのコースもう歩かないだろうなぁ~。
電車に乗ってたどりついたのが薬師寺。 西遊記でおなじみの玄奘三蔵ゆかりのお寺です。
カメと私。 お土産で肩に下げた風呂敷バックが膨らんできています。
特別公開の「玄城三蔵物語」と「吉祥天女のすべて」を拝観し、 天竺につくまでには東へ戻らない(=夢をあきらめない)という意味の 「不東」と描かれた特製のお守りと、 美女祈願に効くという吉祥天女のお札が欲しかったけれど 志として賽銭箱に収める500円分の小銭を持ち合わせなかったため 無念です。。。。
修学旅行のときにどこか奈良のお寺で 孫悟空と沙 悟浄、猪八戒の仏像を見てLove♡と思って 薬師寺だったかなぁ・・・と探したのですが出会えず、残念。 もっとちゃんと調べてみよう。
そんなことを考えているうちに すっかり日も陰ってきて
今日はたくさん歩いちゃったな。 と、五重塔を眺めながらお抹茶。
踏んでる仏様と踏まれてるオニ。 持ちモノや背景や名前で位や功徳がわかるはずなんだけど 何度調べても忘れちゃう。
お線香の煙のむこうに臨む金堂。
薬師三尊像はとても有難くって とてもじゃないけど我儘なお願いなんかできなくて ただただ感謝をささげることしかできなくて。。。 あぁ、仏教徒。 教会でイエス様やマリア様に手を合わせるときは 若干ミーハーな気分が混じっていることを否めないなって気付いたよ。
ご朱印をいただき、グッズ売り場をのぞいたら キレイな絵皿が。 あ、これにお醤油さしてお鮨たべたいなぁ~・・・なんて考えたら とんでもない罰あたり。 天井画を模した絵皿でお香を立てるためのものなんですって。 ブルージュで買ったてんとうむしのお香人形の仲間が欲しくて探していたんだけど 和の絵皿もいいかな、って旅の記念に。
京都駅に戻り、帰りの新幹線までの時間に 京都伊勢丹で翌日の朝ごパンや SUVACOでご当地カレーやお菓子を家のお土産に買って 「はしたて」で晩御飯。 おかげさまで、京都駅も勝手がわかってきたみたい。 おまけ
今回の旅のおみやげたち。 お腹におさまっちゃったものや すっかり生活の中に溶け込んでいるものたちです。 では、また~