広島(ひろしま美術館)
以前からなんとなく、料理クンがオトナになる前に ヒロシマかナガサキに連れて行きたいな、と思っていました。 昨年も一昨年も彼は長野のレストランで研修や仕事だったし 横浜にいる今年も忙しそうだから実現しないままかな・・・と感じていたら 7月のはじめに 「興味あるんだけど。 15日までは勤務が決まっているから 行くとしたら今月の後半だよ」だって。
「えっ?そんなに急に??」と驚いたけど 善は急げとツアーのパンフレットを集めたりネットで探したり。 料理クン19歳と6か月の夏。 ぎりぎりセーフだね。 ====
新幹線だとちょっと遠い。 マイルも貯めたいし、飛行機でいくよ~♪ 早起きしてがんばるぞ。
『沈まぬ太陽』を読んだのにJALに乗る私。 いまは再生中なんだよね。 小説の中で印象的だった整備士さんの真摯な姿勢を思い出し 作業している姿に心の中で「がんばれ」って声援をおくる。
まいど朝ごはんは移動中に。 空弁って気になっていたの。 美味しそう、と選んだ「ます鮨」は、目的地とは関係なく北海道のお弁当でした。
相変わらずの雲女ですが、富士山の頂きは雲の上に覗くことができました。 窓側の料理クンにお願いして撮影。
広島空港から広島バスセンターまでリムジンバスに乗り市内に到着。 バスセンターって駅のそばかと思ったら違うのね。 市内のど真ん中、広島そごうの3階にありました。 平和記念公園がすぐそばだったので、その足で原爆ドームへ向かいました。
今回の旅の目的地はこちら広島平和記念資料館です。 私は中学3年生の時に来ているけど 覚えていたのは原爆投下時に石段に座っていた人の影が焼きついた銀行の入口と 背中のやけどがケロイド状になった患者の背中のイメージくらい。 それでも、それからの生活の中で、 来ていてよかったな、という実感は残っていました。 まさに、百分は一見にしかず、を実感する展示。 中学校時代の同級生には、広島から上京していた親しい友人がいて 彼女から広島市民は、みんな広島カープのファンであることや 小学校で習ったという「原爆を許すまじ」という歌を教えてもらったりしていました。 youtubeで見つけたら・・・・あ、覚えてた。 「本で知識を得ることもできるけれど、実際に来て見られて良かった」 と料理クンがもらした感想に バタバタだった旅の準備が報われた気がしたよ。
平和記念公園をぬけ、資料館を出て、ほっと一息つきたかったけど・・・・ 真夏のベンチは炎天下。 どうしよう、カフェを探してお茶でも飲む? それとも早めのランチにしちゃう? 行こうと思っていたお店が近くにあるみたいなんだけど。。。 ガイドブックを見直したら、うん、この先の橋のむこうみたい。
ランチはかき船 かなわという 牡蠣の養殖を行っている会社の経営するお店へ。 夜はちょっといいお値段なのでランチに予定していました。 お座敷に漆塗りのテーブルと椅子席でリラックス。 もともとが川に浮かぶ船で営業しているから 近くを通るボートの波で揺れるのも、ちょっと面白い。
7月の限定メニューを注文しました。 まず出てきたのは、鯛せんべいのサラダ。 この鯛せんべい、おいしー♪ ちょこっとお酒のみたいけど、未成年と一緒だしね~。 ひとりで飲むのは味気ないから、ここはがまん。
注文したメニューには牡蠣が入っていないそうなので、 単品で注文した生牡蠣。 時期により違うそうですが、この時は ヒロシマという品種なんですって。 大きくてクリーミーだ♡
「いろは膳」というお膳で出されたのは キスの天婦羅、スズキの刺身、長芋の豆腐だったかな。
そうめんと手づくりっぽいアイスクリーム。 牛乳と卵でつくりました、って、やさしい味がしたよ。
平和記念公園から市街へ向かいます。 広い道路を走っているのは、路面電車と自転車。 その自転車もけっこうスピードが速い気がする。 あれ、なんだか懐かしい感覚がよみがえる。 うん、昨年の秋に行ったアムステルダムとちょっと似てるかな。。。。。
13時を待ってホテルにチェックイン。 前日も遅くまで仕事をしていた料理クンは休憩。 じゃ、私は自由行動ってことでお出かけしてきます。
向かったのはホテルのお向かいのこちら、ひろしま美術館。 広島銀行が創業100周年事業として “愛とやすらぎのために”をテーマに設立した美術館だそうです。
当日まで、ひろしま美術館にするか、広島県立美術館にするか、 広島市現代美術館に行くか決めかねていましたが ホテルを出て目にとびこんできたこの わたしが選んだ いわさきちひろ展~こどもたちへのまなざし~ のポスターが迷いを消してくれました。 もう、絶対ここじゃん♡ってね。
展示の内容はチケットやチラシで伝わるかな。 愛に溢れたちひろの絵を見に来ているのは 小さな子供をつれたお母さんたち。
絵本の原画も多く、実際に手にとってみられるよう 実物の絵本も置かれています。 それぞれの絵のタイトルの横にあるのは 専門家の解説ではなく、実際にその絵を選んだ人の感想。 その年齢も多岐にわたり小学生から年配の方まで幅広いの。 うん、私もそんな風に思った。 とか え?気付かなかった・・・ どこどこ? なんてね、 絵を眺めて自分の心にうかぶことと それらの感想と対話をしている気分。
- 作者: あまん きみこ
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 1969/08
- メディア: -
「あ、この本持ってた」と思いだしたのは『おにたのぼうし』 節分に豆まきで追い出された心優しいおにた。 病気の母親を看病している、おなかをすかせた女の子に 「おににだっていろいろあるんだ」という言葉と食べ物を残して また次の居場所を探しに去っていく 少し哀しい読後感のあるお話しです。
そして、8月の広島らしく反戦の絵本も。
特別展を観終わると、常設展の建物へと向かう中には アリスティド・マイヨール の彫刻がどーん。
こちらは正面入り口のマイヨール。 常設展の展示室の中央にはビーナス像もたたずみ その周囲にはマイヨールの描いたコンテっていうのかな、 裸婦のデッサンのようなものが取り囲んでいました。
マイヨールを囲んでいる4つの部屋のうち 第1展示室は「ロマン主義から印象派まで」 この部屋にはマネ、ルノワール、モネ、ドロクロワ、クールベ、ミレー ブーダン、コローの画があって、 エドガー・ドガの<浴槽の女>のポストカードを買いました。 第2展示室は「新印象派と後期印象派」 この部屋からはゴッホの<ドービニーの庭>と アンリ・ル・シダネルの<離れ屋>のポストカードを買いました。 シダネルは、いつか行きたいと思っているフランスのバラの町 ジェルヴロアの風景を描いた画家です。 ほかにはボナール、ルドン、シニャック、スーラ、ロートレック ゴーギャン、セザンヌの作品があり、 しかもほとんど貸切状態のような贅沢な時間。
第3展示室は「フォーヴィズムとピカソ」 なんたって、ピカソが5つも並んでいました。 マティスでしょ、ブラックでしょ、ヴラマンクにレジェにデュフイもあった。 第4展示室は「エコール・ド・パリ」 ローランサンにユトリロ、モディリアーニ、シャガール キスリング、そしてフジタの受胎告知、三王礼拝、 十字架降下があったよ。 すっかり「おなかいっぱい」状態(笑)
旅はまだまだ続きます。