ピカソにクギづけ * クレーにため息

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豊富な20世紀絵画のコレクションを有する ドイツのノルトライン=ヴェストファーレン州立美術館の改装にあたり 収蔵品がやってきました!! クレー好き♡には見逃せない企画 「20世紀のはじまり ピカソとクレーの生きた時代」 理論に詳しくない私が 絵画を鑑賞するときのポイントは この作品で画家が最も表現したかったこと、 伝えたかったことは何だろう そして、1枚だけ持って帰っていいとしたら (↑あり得ませんが・笑) どれにするか、を考える。 じーっくりと真剣に^^ ====

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≪コリウールの舟≫ アンドレ・ドラン 1905年 油彩・キャンバス 60×73 マティスではじまった展示作品がこの画につづき、 力強く粗く濃い点描に「あぁ、来てよかった♪」 持ち帰りたくなる作品は1枚じゃすまないかも。

3匹の猫

≪3匹の猫≫ フランツ・マルク 1913年 油彩・キャンバス 72×102 なんだろう、この伸びやかな白黒クンは! 表情も得意げで、背後の赤い猫は母親かなぁ。 虎縞クンの驚いたような微妙な表情も不思議。

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≪バイオリン弾き≫ マルク・シャガール 1911年 油彩・キャンバス 94.5×69.5 笑顔だけど目が笑っていないふたり。 もやもやとした不安が漂いながらも バイオリン弾きからつながる屋根の赤に惹きつけられます。

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≪フェルナンドの肖像≫ パブロ・ピカソ 1909年 油彩・キャンバス 61.8×42.8 わからないけれど、ピカソは好き。 でも愛する人に、こんなふうに肖像画を描かれたら嫌だろうなぁ・・・・ 写真で見るフェルナンド・オリヴィエは、美しいのに。 だからピカソは心の目で描いていたのだろうと思うのです。

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≪二人の座る裸婦≫ パブロ・ピカソ 1920年 油彩・キャンバス 195×163 巨人族?? なんだか四角い女性達なのです。 そして、女性っぽくないのですよね~・・・・。 こんなに色気のない裸婦は珍しいのじゃなかろうか。 木彫りの仏像に見えてくるぅぅぅ。     好きですが(笑)

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≪鏡の前の女≫ パブロ・ピカソ 1937年 油彩・キャンバス 130×195 こちらも当時の恋人マリー=テレーズ・ワルテルをモデルにした肖像。 ピカソよりかなり年下の彼女は 母性的な人だったんじゃなかろうか、なんて想像をしたり。

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≪ひじかけ椅子に座る女≫ パブロ・ピカソ 1941年 油彩・キャンバス 80.7×65 「あー、私ピカソ大好きだわぁ♡」と感じた1枚。 だって自由なんだもの。 ただ、自分がモデルだったら絶対怒る!!とも思った1枚でもある(笑) こちらも当時の恋人のドラ・マール。 ピカソにとっては、いくつもの顔を見せる多面的な女性だったのだろうか。。。 ≪泣く女≫のモデルも彼女ね。 もしかして、さんざんピカソを困らせた??

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≪リズミカルな人々≫ ジョアン・ミロ 1934年 油彩・キャンヴァス 193×171 ミロもわからないんです。 ピカソよりも、もっとわからないんです。 でもなぜだか惹かれるのです。 明度の高い迷いのない赤がいいなぁ。 人というより鳥に見えるなぁ・・・・・。

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≪無題 即興Ⅰ≫ ヴァシリー・カンディンスキー 1914年 油彩・厚紙 この作品は≪エドウィン・R・キャンベルの壁画№4≫のための下絵だと考えられているそうで 主題は旧約聖書の「エリアの昇天」ということですが うーん、わからん。 カンディンスキーの画はいつも音楽だなぁ・・・と感じるのです。 これは交響楽かな。 彼自身も楽器を演奏する人であったそう。

Paul Klee

ミュージアムショップで見つけた絵葉書の男性は もしかして やっぱり。 クレーはお好き? 色彩の魔術師と呼ばれた パウル・クレーは在外ドイツ人である音楽家の両親のもと、 1879年スイスのベルンに生まれます。 ドイツの美術学校に学び、前衛芸術家として認められ バウハウスではカンディンスキーの同僚。 しかし、「退廃美術」としてナチスの迫害にあい1933年に亡命をします。 その後1960年に難病により亡命先のスイスで亡くなるという 不遇の晩年を送りましたが その作風は静謐で緻密、 ちょっぴりの皮肉がスパイスとなったユーモアに溢れています。

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≪ムッシュー・ペルレンシュバイン≫ パウル・クレー  1925年 水彩、部分的に吹きつけ・台紙に貼った紙 51.5×35.5 直訳すると「豚真珠氏」。 道化師のようですが、よく見ると耳が豚。 ほんわかとした雰囲気で、そうね、真珠っぽい。 そういえば先日観た映画は 豚の鼻を持つ乙女が主人公の『ペネロピ』でした。 なんだかつながってる。。。。。

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≪黒い領主≫ パウル・クレー  1927年 油彩、テンペラ、板に貼ったキャンバス 33×29 ♪南の島の大王は その名も偉大なハメハメハ♪ って歌があったね。 谷川俊太郎も『クレーの絵本』という詩集で この絵に寄せた詩に "おうさまは おんがくを きいた" という一節を書いています。

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≪顔と手と足と心がある≫ パウル・クレー  1930年 水彩、ペン、台紙に貼った綿布 41.8/40.8×29/28.2 生真面目な男性が恋におちた瞬間?? 体がバラバラになりそうなほど 心臓はドキドキ脈をうつ・・・ そんなかんじ?

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≪矩形と半円≫ パウル・クレー  1932年 水彩、グァッシュ、台紙に張った紙 48×30 前年にナチスが第一政党となり 弾圧されていたクレーは この画を描いた翌年にスイスに逃れます。 そんな時代に描いた赤い点描。 黙々と何かに集中していると 心が「無」になって厭なことを忘れられるけど クレーもそうだったのかなぁ。

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≪宝物≫ パウル・クレー  1937年 パステル・ジュートに貼った綿布、糊絵の具で枠取り 57×76 ぉお、チョコレートのようではありませんか♡ ボンボンショコラみたい。 今年はまだ行っていない私の聖地である バレンタインデイ向けのチョコレート売場を彷彿とさせます(笑) グッズ売り場でマグネットを買っちゃった。 冷蔵庫の扉でサモトラケのニケと並んでいます^^

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≪危険なこと≫ パウル・クレー  1938年 油彩・台紙に貼った綿布 28×59.2 力強く太い黒線や荒々しく塗られた茶や赤が クレーには珍しく内面の苦悩や激情をあらわしている作品だそう。 私には、右上の一画がてんとうむしに見えて仕方がない。。。。 そしてリズムや音もを感じるのは 音楽にも造詣の深いクレーが プロ級のバイオリニストでもあったせいもあるのでしょうか。

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≪赤いチョッキ≫ パウル・クレー  1938年 糊絵の具・板に貼ったジュート 65×43 あの~・・・クレーさん、 チョッキ赤くないんですけど。 テーブルの上でダンス? 音楽が聴こえて、しっぽのはえた男性が躍りだしそう。 色調は沈んでいるけれど 困難な生活のなかでもユーモラスな作品を描ける精神力が素晴しい。 おまけ 今回は出品されていませんでしたが

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≪忘れっぽい天使≫ パウル・クレー 1939年 紙・鉛筆 皮膚硬化症により手がうまく動かなくなってからは 画用紙に線画を描いては床に落としていたそうです。 展示されていたのは皮肉っぽい作品ですが やっぱり天使がいいね。

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≪無題(最後の静物)≫ パウル・クレー 1940年 油彩・キャンバス 100×80.5 そして死の直前まで画架にかけられていた絶筆がこの作品だそうです。 愛読書たち↓

クレーの絵本

クレーの絵本

 
クレーの天使

クレーの天使

 

では、また p.s. この展覧会に行かれたTaekoさんの記事もこちらでご覧になれます♪