2009年10月 オランダ(アムステルダム、花市場・ゴッホ美術館)
私のなかのアムステルダムといえばこの風景。 運河にかかる橋と、自転車の列・・・しかも高速走行。
中断していた2009年秋の旅日記のつづきは 運河沿いの高級住宅を公開したミュージアム、 ファンローン邸を見学した日の午後のお話しです。 ====
運河沿いを歩きながら、ショッピングの相談。 日本の雑誌に載っていたお店のいくつかをピックアップして 「行ってみたいな」ってメールしていた場所を調べてくれていました。 どうもありがとう!! 教会の横をぬけて、アムステルダムの中心部へ戻ります。
オランダはデザインで有名な国だから どのショウウィンドウも素敵。 ぜんぶ覗いていると、何日かかっても足りなそうなので 見ないふり、見ないふり・・・って務めて素通りしなくちゃいけないの。
友達のお勧めは、knopenwinkelというボタン屋さん。 うーーーーー、ツボです。 みんな欲しくなる。。。。 これでペンダントつくれるな、なんて考えちゃう。 そうだ、私はビーズ屋さんにも行くんだった!!と思い留まって Beadiesというお店で、あーでもない、こーでもないと組み合わせて ピンク系とグリーン系のビーズをいくつか選んだよ。 男の人と一緒の時は申し訳なくってこんなにじっくり迷えない(笑) 女同士の買い物の醍醐味ね。
ここはDe Kaaskamerというチーズやさん。 店頭には大きなパルミジャーノ・レジャーノ。 美味しそうだけど、イタリアのチーズだね。 オランダのチーズ買わなくっちゃ、とわくわくしながら店内へ。
あ、これはフランスのだし、山羊のチーズは要冷蔵品が多いみたい。 旅行者には真空包装してくれるみたいだよ、って友達が教えてくれた。 そして市場で買ってるのと同じエクストラ・べーレンを見つけてくれて 味見をしたところ 「おいしーい♡これにする♪」 って300gちょっとお土産に。
家で食べて、会社にお土産に持って行って、ビール・ピクニックにも持って行って 大事に大事に食べました。
そういえばおなかもすいてきたね。 ランチはホットサンド。 外を気にしながらぱくぱく。。。。
何故って、そこはシンゲルの花市場の向かいのお店だったから。 「何を買うの?」 「植物検疫があるから土がついているものはダメだし チューリップの球根もキューケンホフ公園の中か スキポール空港の中の検疫済みのものしか国外持ち出しできないんだって。 でも何か欲しいなぁ・・・」
上の写真の天狗の団扇みたいな植物が気になって 「これはなぁに?」って尋ねたら 「大麻草」だって! 「う・・・私はいらないや」
種がいいな、種を買おうって] 迷って迷って最終的に英語名で選んだのが FORGET ME NOT(忘れな草)と LOVE IN A MIST(ニゲラ)です。 (春蒔きなのでどの鉢に植えようか目下考え中)
日本の花屋さんでよく目にするアレンジは 大きな花に小さな花や葉を添えて 同系色でまとめたものが多いけれど さすが市場だね、1~2種類の束が多くですっきりとした印象。 まるでパレットみたい。
花の色の組み合わせは同系色や 時々赤と緑、黄色と紫のような補色の組み合わせを見慣れていますが 写真中央あたりのすべて違う色を同じ本数づつ束ねたカラフルなバラの花束には 「全部いりじゃん!」って 目からコンタクトレンズが落ちそうな驚き!!
そうかと思えば カラフルという先入観を持っていたチューリップが グリーン系で統一された一隅になっていて 色彩感覚にお国柄って出るよね って改めて認識。
やっぱり花市場、見られてよかった。 有名どころのアンネ・フランクの家やレンブラントの家、 ハイネケンのミュージアムには行かなかったけれど 自分なりにどうしても行きたかった場所は訪問できて大満足♡
たくさん歩きまわって あれ、日本にないメニューだね、なんて マクドナルドの看板も気になりはじめる夕暮れ時。
晩御飯を買いにスーパーを覗きましょ。 ショッピングカートにデポジットがあるんだね あ、チルドの食品が充実してる! カット野菜はそのままお皿に出してサラダにできるくらいに ススンでいるんだね。 さすがワークシェアが世界一進んでいて 外食が少ないお国柄だけのことはあるね。
スーパーの棚で気になるものを選んだら 友達の旦那様とものすごく好みが重なっていたようで・・・・
初日につづき最終の夜も友達の家にお邪魔して むふふふふ、インドカレーの晩御飯。
ボウルのご飯は、ナシゴレン。 ミートボールはピリ辛。 シェリーもちびちび舐めながら 「シェリーはソレラシステムっていう方法で仕込むんだけど 古いお酒の樽に新しいお酒の樽を積み重ねて 上の段の新しいお酒を下の段の古いお酒に つぎ足しつぎ足ししていくんだって」 って話になる。 「それって、老舗のうなぎ屋さんとかの"秘伝のたれ"」みたいだね って盛り上がる^^
デザートには濃い目のコーヒーと ウィーンのお土産のザッハトルテ♡ これはホテル・インペリアルのもの。 とっても濃厚で美味しかった~♪ 包装紙のシールを旅のスクラップブックの表紙に 記念に貼っちゃった。
そして、この日はこれで終わりじゃないのです。 アムステルダム市内を車で移動中に ファン・ゴッホ・ミュージアムのポスターを見かけた時に 「金曜日は22時って書いてある!」と読んでもらったので この日は夜のミュージアム体験。 入口近くのロビーではバーコーナーがあって ゴッホを鑑賞しながらワインを片手に談笑している人たちがいて いい企画だな♪って思ったけど もうシェリー飲んじゃってるし・・・(笑)
2009年10月2日から2010年3月1日まで開催されている 企画展は『ゴッホの手紙展』。 旅行前に読んでいたオランダの美術館のガイドブックでは 兄フィンセントと弟テオの手紙を軸に解説がされていたので 私にとっては、まさにぴったりの企画でした。
NHK世界美術館紀行〈2〉ファン・ゴッホ美術館、アムステルダム国立美術館、マウリッツハイス美術館
- 作者:
- 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
- 発売日: 2005/05
- メディア: 単行本
≪馬鈴薯を食べる人びと≫1885年 ≪刈り取りをする人のいる麦畑≫1889年 オランダ語(たぶん)で書かれているので読めないけれど ちいさな文字を几帳面に書き連ねた手紙を眺めながら 「今こういう絵を描いているよ」って近況報告かな 「あ、これ『じゃがいもを食べる人たち』の女の人じゃない?」 なんて友達とひそひそ話。
オランダ時代の鉛色から 1886年にフランスに移ると眩い黄金色に色彩が変化していきます。 これは親交のあったロートレックが描いたゴッホの肖像。 ゴッホっぽいタッチで描いたよう。 仲の良い雰囲気が伺えます。
≪自画像≫1887年 1885年までのオランダでの生活は悩み多き時代だったよう。 牧師をめざし、画商に勤め、イギリス勤務も経験するけれど 不幸な恋愛を繰り返し 手紙では「世の中の役に立つ人間になりたい」ってテオに語っているけれど 実際は生活費を送金してもらっていたみたい。 純粋な心の持ち主だから 高い理想と厳しい現実の挟間で悩んでいたのかな なんて考える。
≪黄色い家≫1888年 1888年にはアルルへ転居。 日本に憧れを抱いていたゴッホは日本的なものを感じたようですが アルルに行ったことのない私には、 うーん、ちょっと想像できないな。
≪ゴッホの寝室≫1888年 「アルルのゴッホは友達を呼びよせるために椅子をいっぱい買ったんだって」 と聞いたのは、昨年のゴーギャン展でのこと。 1888年にはパリからゴーギャンがやってきて一緒に暮らすのですが 共同生活はわずか2か月で終わりを告げてしまいます。 ゴーギャンはその後、南の楽園をめざしたのね。
≪ひまわり≫1889年 花瓶に活けられた黄金色のひまわりはいろんな方向を向いていて 青空のもとお日様に向かうイメージとはちょっと違うね。 その秘めた哀しさに惹きつけられるんだけど。
≪花咲くアーモンドの枝≫1890年 そして、一番観たかったのがこの画。 テオの妻が妊娠した知らせを聞いたゴッホが 生まれ来る赤ちゃんの部屋に飾るために描いた アーモンドの花です。 テオの息子フィンセントの時代から 代々ファン・ゴッホ家の子供部屋に飾られていたそうです。 画面いっぱいに広がる青空と白い花に 希望とやさしさ、家族の絆の強さを感じるのだけれど これを描いた半年後に命を落としてしまったのね。 上のロートレックが描いたゴッホの肖像の写真に写っているのが テオに宛てた最後の手紙のレプリカです。
友達と「ゴッホの死は、事故によるものだったんじゃないのかな」 なんて話しながらじっくり観ていたら ・・・あ、また閉館時間になっちゃった。。。 すぐ近くなのホテルまで急ぎ足で歩いて 「今日も遅くまでつきあってくれてありがとう。気をつけて帰ってね」 夢のような秋旅も、あとわずか。 翌日いよいよオランダを発ちます。