spring has come * 弥生の松篁展
菜の花畑にも春が来た。 ====
今週の花はガーベラ。 春先はいつも体調が落ちるのです。 体調不良により更新お休みしておりました。 「おぉ・・アタシもとうとう・・・」と思ってネットで調べると 不調の原因は「疲労」だったり 「暴飲暴食による」だったり という程度ですが(笑)
ということで、消化によさそうなものを食べて大人しくしていました。 けれども、今年は何故か花粉が気にならないの。 昨日から窓を開けて気持のよい春の風を呼びこんでいます。
そしておうちワインはどうなったかというと・・・・。 挫折。 やっぱり誰かと一緒じゃないとつまらないしね。 残ったワインはだぼだぼ~っと注いでマーマレードへ風味づけ。
これにも入れればよかったかな。 「牛乳さえあれば誰でもできる杏仁豆腐」
先日は上村松篁展へ。 弱ってても地元だし。
上村松篁は日本画家上村松園(↑「鼓の音」など美人画の大家)の長男であり、親子二代でその画業に対し文化勲章が送られています。 松園は学生時代から折に触れて何度も見ていますが、松篁の作品を印刷物以外で見るのは初めて。 今回は初期から晩年までの代表作65作を揃えたそうです。
「椿」は大正13年、22歳のときの作品。 写実に徹して枯葉も朽葉もあまさず描いたということですが、静謐な美に息を飲みました。 根元の鳥にその後の花鳥画家としての片鱗がみえます。
「早秋」は昭和16年、39歳の作品。 尾の先端のもやもやぁ・・・としたやわらかい質感に、母松園が描いた女性のおくれ毛の美しさを思い起こされます。 キツネたちは何かを凝視した厳しい表情をしていますが、昭和16年に暗さを増していく時代の影響をさほど感じさせない画家の内面の強さを感じました。
「緋桃」は昭和45年、色彩を求めて南国を訪れた後の68歳の作品です。 金と緋色の輝きに射抜かれてしばし佇む。 円熟ってこういうことなんだろうか。
昭和52年、75歳で描かれた「丹頂」は一対の作品です。 これは、どう表現すればいいのだろう。。。 圧倒的かつ静かな「美」。 彼の画業のひとつの到達地点でしょう。 松園の美人画は昇華された美しさの陰に秘めた激しさや 耐え忍んだであろう厳しさなどを否応もなく感じますが、 松篁は圧倒的な優雅さと繊細さ、気品にあふれ、見るものをおだやかな幸福感で満たします。 そして、三代目には淳之も。 すごいなぁ、上村家。