2018年7月 神奈川県三浦市(三崎水産物地方卸売市場)
いろいろな土地へ旅しても、心惹かれるのは海、そして港。
もちろんビーチも素敵だけれど、漁港の町にひきつけられます。
特に半島は、半分陸で半分島。
一見都会から離れた辺境にも見えますが、その実、世界へとつながる玄関。
住む人の頭のなかには平面の地図というよりは地球儀があるようで。
未知のもの、外のもの、に対する姿勢に内陸との違いを感じます。
そして「食」との近さも料理を生業とする者にとっては魅力のひとつ。
気仙沼や大船渡の魚市場はたびたび見学していますが、地元の魚市場は未体験。
「フットワークが軽くて楽しそうですね」と言われますが、産地を訪ね、現場を見る時間が欲しかったのが前職を辞めた理由のひとつ。
年齢的にも折り返しを過ぎており、先伸ばしにしていた「いつか」というタイミングが、きっと「いま」。
昨日はずっと気になっていた三崎の卸売市場に見学コースがあると知り、早起きをして行ってきました。
三浦市のHPによると、見学に適した時間は8:00-9:30。
自宅からの公共の交通機関でのアクセスを調べると、頑張って9時。
冷凍マグロも休漁日。
本当はマグロも、そしてもっと早い時間から見たかったけれど、まずは行ってみようと家を出ました。
見学コースは2階で階下の様子を眺めます。
窓の外に横付けされた漁船が見えます。
ハッチを空けて、道具(手元は見えませんでしたが、ざる?)を使って網に魚を手作業で入れ、いっぱいになったところで吊り上げて大きなコンテナへ。
この日の漁は沿岸物のみ。
市場の方に質問いたところ、この大きな魚はイナダだそうです。
たしか出世魚だったはず・・・・と重ねて質問。
ワラサ→イナダ→ブリ ですね、頭のなかに( ..)φメモメモ。
そしてここにも書き留めて、忘れないように。
選別をしながら別の蓋つきのコンテナに移します。
選別からはずれてしまった魚たち。
選ばれた魚はそれぞれカゴに仕分けされ
仲買人さんはそれらを見て入札するそうです。
じっくり見学しすぎて食堂の朝食時間は終わってしまいました。
岸壁をすこし散歩。
養殖筏がありました。
なんの養殖だろう。。。
岸壁には釣り人のみで、港湾関係者が見当たらないためバスで諸磯湾へ。
諸磯神社にお詣りして帰りのバスまで周辺を散歩。
神社のすぐ脇が諸磯湾。
四角いこの容れ物は・・・タコ壺。
そういえばタコはすこし北に位置する佐島の名産だと聞きました。
城ヶ島まで足を伸ばし日暮れ
夜は「三崎の魚を三崎で食す」に参加。
文頭で見学していたまさにそのとき買い付けられていた魚が並びました。
イベントシェフは、お魚コーディネーター&出張お魚料理人の甲斐昂成シェフ。
市場では選別から外れ、市場に出回らない魚にも価値を与えることができる料理人で、わたしも苦手意識から逃げていた魚の捌き方を教えていただきました。
金目鯛の湯霜造り、ソウダガツオ炙り、神経〆のミシマオコゼ
コハダの南蛮漬け
エイのレバー
ミノカサゴのホイル焼き、サバのフライ
金目鯛の煮つけ
まさに選別から外れたところをこの目で見ていた魚が調理され、価値を与えられていました。
美味しく生まれ変わるとは、このことか、と尊敬。。。。
見るのも食べるのも好きだけれど、調理には苦手意識のあった魚。
捌けるようになり、セルビア料理での調理法もつかめてきたので、もっともっと知りたいという欲が出てきました。
季節が変わると沿岸物もまた違った種類があがるはず。
次はマグロの取引のある日に前泊で再訪しないとね。
そして未だ行けていない築地へも。