2018年4月 岩手県陸前高田市(まちや世田米駅・神田葡萄園)宮城県気仙沼市(唐桑御殿つなかん)
4月のはじめの週末は陸前高田~気仙沼へ。
3月11日に地元の友達に「来月も来るから、また改めて!」と言い残して横浜に戻った出直し旅。
「やまびこ」に乗り一ノ関へ。
一ノ関からは レンタカーで最初の目的地へ向かいます。
東北新幹線の車中までは、いつも東京のしっぽが心のなかにあるけれど、
「千厩」あたりがわたしの結界かな。
ほっとして、心のよけいなものを降ろして土地に溶け込んでいく感覚になる地帯です。
「あそこの町づくりはすごいよ。行ってごらん」といろいろな方から勧められ、機会があれば足を運ぶようにしている住田町でランチ。
法律にしばられず、いちやはやく地元の木材で建てた仮設住宅や木造の新庁舎は話に聞くばかりで実際に見に行けていないので、 なんとかチャンスを伺っているところ。
街道筋の古い街並にも風情が溢れています。
旧菅野家住宅をリノベーションした住民交流拠点「まちや世田米駅」。
敷地内で遊ぶ子供たちの姿に、少子高齢化のご時世に子育てに選ばれた町の住みやすさを伺い知ることができます。
開花宣言が出たばかりという桜の蕾。
レストランkerasseのランチタイムにすべりこみ。
東京で陸前高田のひとに会うと「あそこ美味しいよね~」と話題にのぼる名店です。 serbian-night.hatenablog.com
昨年はシェフの料理教室にも参加しました。
今回も生パスタでおなかいっぱい。
次は広田湾の雪解け牡蠣とか食べたいなー。。。。
と、心を残して陸前高田市内へ移動。
今回の旅の相棒は、はじめて陸前高田を訪れた2011年11月のツアーで出会ったボランティア仲間。
嵩上げによって地形の変わった市内の風景から当時を思い出すことが難しくなってるのはよいことなのだけれど。
商業施設は建ちはじめましたが、まだまだ空き地が広がります。
図書館に素敵なカフェもできたらしいという、アバッセたかたは、今回も素通りしてしまった。行かねばなー。。。
整備中のため、市の中心部で通行可能なルートは住民でもわからなくなる時があるほど頻繁に変わるそう。
何か所かの震災遺構で、自分たちが通っている場所を確認する手がかりとなります。
次の目的地の神田葡萄園に到着。
神田葡萄園のマスカットサイダーは、陸前高田でのボランティア作業終了後に喉を潤すお約束で、りんごジュースもお土産の定番。
その葡萄園が2015年からワインの醸造をはじめたと聞き、ずっと気になっていました。
上の写真が6代目当主の熊谷 晃弘さん。
今年の3月下旬に都内で開催された岩手ワイン試飲会でやっとテイスティングすることができました。
どの銘柄も期待を大きく上回る味わいで、牡蠣!わかめしゃぶしゃぶ!次々とあわせたい陸前高田の海の幸が頭にうかびます。
どこで購入が可能か、現地での見学は可能かなどなど質問責めをしてしまいました。
この日のスケジュールを確認したところ、陸前高田にいらっしゃるということで突撃。
いままで一本松茶屋や物産館などの販売店で購入していたため、直売所は初めての訪問です。国道を通るたびに気になっていた壁面の絵もじっくり鑑賞。
チャーミングだなぁ。
畑に案内していただくと、早咲きの桜の花が見られました。
斜面をあがって吹き付ける海風は葡萄の生育によさそう。
神田葡萄園のおこりは、気仙大工であった祖先が仕事先から持ち帰った果樹をこの地に植えたことから。
梨、林檎にはじまり、その後に植えた10本の葡萄の苗を生食だけでなく加工に用いたことにより事業が広がったということです。
海の見える斜面に植えられた品種は黒ブドウのアルモノワール。
カベルネソーヴィニヨン×ツヴァィゲルトレーベの交配種ということで、あら、どっちも好きな品種だぞ。
まだ休眠期でしたが整えられた幹が並ぶ畑は想像を誘い、貴腐ワインはつくらないのですか?と聞いてみたり。
都内の試飲会で味わいに「なんじゃこれ」と目を見張ったたアルバリーニョは、昨年試験的に醸造をはじめたばかりの品種ということにも驚き。
畑を見せていただくと細い苗木でした。
リアス式海岸の語源となったスペインのリアスバイシャス地方の品種なので気候風土にも合っているのでしょうか。
葡萄の樹は人間と同じで、若木からはよい実を得ることはできない。
ある程度年数を重ねてこそ美味しくなるのだ、という机上の学問も、つくり手によってよい意味で裏切られるのだ、と実感。
直売所に隣接した畑は棚づくり。
津波の被害も受けたそうですが、その年から収穫を得ることができたそうです。
敷地内に併設された醸造所。
地下に水が入ったため取り壊しも考えたということでしたが、過去に見学させていただいた中でも指折りの素敵な建物で
階上の部屋などは古民家フェチにはそれはそれはたまらない空間で。
「残してくださってありがとうございます」と思わず口をついてお礼が出てしまいました。
葡萄ジュースをいただき、お土産を買って名残惜しく退出。
また来よう。
市内を抜けて県境を超え、唐桑半島へ移動。
鮪立湾が見えるとほっとします。
宿泊はいつもの「唐桑御殿 つなかん」で。
ただいまー。
先月はさくっと挨拶をして「来月、また来ます」と帰ってきた分、つもる話を夜中まで。
人生の先輩として、女将として、尊敬する一代さん。
いつものように裏の八幡様まで上がりご挨拶。
ここから見る鮪立湾の風景がとても好き。
次はサウナカーにも入らなくっちゃだね。
翌日は市内で開催されていた高校生主催の「地産地消フェス」で地元の友達に再会し
喫茶マンボで念願のいちごババロア。大は売り切れてた。#気仙沼#kesennuma #strawberry
「つなかん」は帰って来る場所、と思わせてくれる心のオアシス。
一代さん、ふみちゃん、いつも本当にありがとうございます。
神田葡萄園の熊谷社長、まちや世田米駅kerasseの坂東シェフをはじめ、関係者のみなさま、ありがとうございました。
今回お会いできなかった地元の皆さま、すぐまた行きますのでその時はよろしくお願いいたします。