2018年4月 イベント「セルビア、コソボ、マケドニアに生きるジプシーの音楽、文化、歴史の違いとは?」
昨日は”セルビア、コソボ、マケドニアに生きるジプシーの音楽、文化、歴史の違いとは?”に参加。
先日のセルビアンナイトで女義太夫を演じてくれた吉開さんが、それぞれの地域の民族衣装と音楽を宗教的な背景を含めて解説。実際に起居を共にして音楽を教わりながら得た知識には説得力と深みが違います。
ずんちゃかちゃかちゃか♪
という心も体も踊り出すバルカンブラスは、それと知らずとも、誰でもいちどは耳にしたことがあるのではないでしょうか。
この地域の結婚式は数日から1週間ほど行事が続き、ロマの音楽家が呼ばれます。
ロマの音楽家は、セルビア人向け、マケドニア人向け、ロマ向けそれぞれのレパートリーを持ち、出演料とチップが一家を養う収入減となります。
演奏の録音や映像も紹介され、その超絶技巧とプロ意識に脱帽。
Boban i Marko Marković orkestar - Udri Mile ( Devla )
男性は北のほうへ行くと黒い帽子を被っていることが多く、南下すると白い帽子や、白帽子&ターバン。白いブラウスに黒いスカートは既婚女性の服装。
ひらひらとしたスカートは北の地方に多く、南はゆったりとしたパンツスタイルが多い。なるほどー。
わたしは今回はじめて知りましたが、日本でロマといえばこちらの『カッジョ・ディーロ』が有名で、女性のひらひらとしたスカートが示すとおり北部に住む人たちが題材だそう。
弦が主となる北、管が主となる南、だったかな。
それぞれの地域にキリスト正教、イスラム教、ユダヤ教が伝来した背景も含めた解説に「なるほどー」が止まらない。
後半はマケドニア音楽の名門に生まれ、10歳からプロの演奏家として活動しているメンスール・バイラムオヴスキーさんとの対談。日本女性と結婚し、2013年から日本に拠点を移しているそうで、いまの姓は橋本さんなんだとか。あら。
生まれながらの音楽家としての暮らし、他の地域のジプシーとの差、また、日本で「ジプシー」という言葉は差別用語としてとらえられますが、メンスールさんにとっては単に「ロマ」の英語訳という意味なので、別に呼ばれても嫌ではないそうで、現地では「ツイガーニ」のほうが差別的なニュアンスを持つ。などなど、当事者ならではの貴重な言葉が聞けました。
でも、やっぱり音楽と食事はセットだなー。
条件反射でバルカンブラスを聴くとセルビア料理が食べたくなる。
奇しくも会場は昨年の6月に例大祭でピエスカビッツァの屋台を出した品川宿。
誰かチェバプチチとか焼いてくれないかなー、と思ったり。
あ、私か(笑)
開演前に懐かしく街道を往復。
いままで、点として持っていた知識が、だんだん線でつながって、面を持ってきたかな、という夜。
関係者のみなさま、ありがとうございました。