Serbian Night @渋谷コラボカフェ Vol.15 【特別編】Balkan Night
『セルビアンナイト』はバルカン半島の伝統料理と土地のワインがメインのレストランです。2015年11月より店舗を持たないpop-upでの営業を開始し、2019年11月までの4年間に延べ49回を重ねました。お客様の顔ぶれは、旧ユーゴスラヴィア時代から現地にゆかりの方をはじめ、駐在経験や、中東欧関連の学部経験者、国際結婚のご家族、元バックパッカー、料理研究家、ソムリエ、オンライン英会話を通じてセルビアを知った方、渡航前の情報収集目的など、さまざまです。
2019年9月から開催しているブルガリア料理コラボも好評で、今月第2弾も無事終了。
ゲストシェフのアントニオ・アナトリエフ・アンゲロフ氏は、通称トニー。ブルガリアの都市ヴァルナ出身で、通訳、モデル、俳優、料理講師として活躍中。
今回もブルガリアとセルビアの伝統料理をコラボレーションし、両国のワインとラキヤでおもてなし。ブルガリアについてのプレゼンテーションも行いました。
セルビアはフランスのボルドー地方、ローヌ地方とほぼ同緯度に位置し、紀元200年頃にローマ皇帝プロブスによりシルミウム(現在のスレムスカ・ミトロヴィツァ)周辺に最初のブドウが植えられたと伝えられているそうです。
ドナウ川流域の北部、ボイボディナ州がワインの名産地で白ワインが主流。いっぽう赤ワインの土着品種プロクパッツは南部プロクプリェ(Prokuplje)原産地がある種ということです。
いっぽう、ブルガリアはイタリアのトスカーナ地方やスペインのリオハ地方と同緯度に位置し、紀元前3,000年からトラキア人によるワインづくりがはじまりました。
主要産地はスタラ・ザゴラ、ノヴァ・ザゴラ、メルニック、スリヴェン、そしてトニーの出身地!のヴァルナだそうです。
両国ともイスラム教の戒律によりオスマン帝国統治時代にワイン造りが衰退したものの、オスマン帝国からの自治、独立とともに復活したワイン産業は繁栄をむかえ、生産量は同書の世界ランキングでセルビアは15位、ブルガリアは22位を占めています。
日本ではまだあまり知られていませんが、これから注目を浴びること間違いなし!
会場はいつもの、渋谷駅から徒歩7分のコラボカフェ。青山通り沿い、イタリア専門旅行会社右隣の青山台ビル地下。急な階段を降りたつけ麺やさんの奥です。
(お客様撮影)
メニューは以下のとおり
◆Vino / Wine
Rakija Loza(alc 42%) Vinarija Aleksandrović, Serbia
ラキヤ ロザ(品種:ブドウ) アレクサンドロヴィッチ ワイナリー
Trijumf Grappa 2010 (alc 45%) Vinarija Aleksandrović, Serbia
グラッパ(品種:ブドウ) アレクサンドロビッチワイナリー
Merlot 2017 Villa Yambol, Bulgaria
赤 品種:メルロー ヴィラ・ヤンボル
Tamjanika 2017 Vinarija Ivanovic, Serbia
白 品種:タミヤニカ) イヴァノビッチ ワイナリー
【ブルガリア】
бугарски сир / ブルガリア産チーズ
Пастет от кисело мляко / ヨーグルトのパテ
Баница / バニツァ(チーズパイ)
Розово кисело мляко / ヨーグルトの甘いローズデザート
【セルビア】
Ајвар и бугарски сир / ローストパプリカのスプレッド
Пасуљj / 豆のスープ
Cарма и пире кромпир / ロールキャベツとマッシュポテト
домаћа кафа / トルココーヒー
◆Vino / Wine
Rakija Loza(alc 42%) Vinarija Aleksandrović, Serbia
ラキヤ ロザ(品種:ブドウ) アレクサンドロヴィッチ ワイナリー
Trijumf Grappa 2010 (alc 45%) Vinarija Aleksandrović, Serbia
グラッパ(品種:ブドウ) アレクサンドロヴィチワイナリー
ラキヤはバルカン地方で主に果実などからつくられる蒸留酒。 原料となる果実はプラムが代表的ですが、ブドウやリンゴ、マルメロなど多岐にわたり、ハーブや木の香りづけがされることもあります。
ブドウでつくられたものはLoza(ロザ)と呼ばれ、Trijumf Grappa は、アレクサンドロヴィッチワイナリーの白ワインTrijumf と同じブレンドでつくられています。
бугарски сир / ブルガリア産チーズ (お客様撮影)
バルカン諸国でよく食べられるのは、白くてほろっと崩れるこのタイプ。
日本ではギリシャのFetaチーズが有名ですが、各国でそれぞれつくられていますが、まだあまり詳しくないので、乳の種類や熟成方法など、ぜひもっと知識を増やしたい分野です。
Пастет от кисело мляко / ヨーグルトのパテ (お客様撮影)
「ブルガリアヨーグルト」といえば、とろりと水っぽく、フルーツジャムなどで甘さをを加えて朝食に食べるイメージ。
この前菜には、いい意味でその先入観を裏切られました。
Баница / バニツァ (お客様撮影)
催事でセルビア料理のブースを出店していると、ときどきブルガリア人のお客様がチーズパイの「ギバニツァ」を買いにいらっしゃいます。どうやら、ブルガリアにも似た名前の似た食べものがあるらしいと、以前から気になっていました。
ということで、このチャンスにぜひ!とトニーにリクエストしたのがこの「バニツァ」。セルビアの「ギバニツァ」よりも、オムレツ寄り。厚焼き玉子にも似た印象を受けました。
Ајвар и бугарски сир / ローストパプリカのスプレッド (お客様撮影)
ヨーロッパでは「セルビアの”畑のキャビア”」とも呼ばれる"アイヴァル"は、バルカン諸国をはじめ中東欧諸国の食卓には欠かせないアイテム。
ローストしたパプリカの皮をむき、みじんぎりにして油とあわせて煮込んだ保存食ですが、唐辛子やナス、トマトを加えることもあり、家庭ごと、地方ごとのさまざまなレシピと味があります。先日TVを見ていたら、ルテニツァというよく似た、というか。ほとんど同じ!ブルガリアのパプリカベースの保存食を紹介していました。やっぱり好きなものが似ていますね。
今回はお出ししたのは自家製アイヴァル。ベランダで育てた唐辛子がパンチを効かせ、いつもよりピリ辛風味を出していました。
Пасуљj / 豆のスープ (お客様撮影)
セルビアには"prosto kao pasulj" 「パスリのように簡単だ」という慣用句があるほど、旧ユーゴスラヴィアで愛される白い豆のスープです。
宗教的に肉食が禁じられている時期には豆と野菜のみで。たいていはベーコンやハムなどの燻製肉とともに煮込み、プレブラナッツ(ベイクドビーンズ)と並ぶ冬の豆料理の代表です。自家製ベーコンでとろとろに煮込んでお出ししました。
Cарма и пире кромпир / ロールキャベツとマッシュポテト (お客様撮影)
"サルマ"はバルカン半島の冬の定番料理。セルビアでは、このロールキャベツが上手にできようになると「сада се можеш удати(これでお嫁にいけるね」」と言うそうです。丸ごと乳酸発酵させたキャベツの葉を丁寧にむき、つなぎに使った米が柔らかくなるまでじっくりと火を通します。
今回は3週間漬けたキャベツと自家製ベーコンを、本気めんどくさレシピで仕込みました。ちょっと、キャベツが柔らかすぎたかな。
Розово кисело мляко / ヨーグルトの甘いローズデザート (お客様撮影)
ブルガリアと聞いて、まず思い浮かぶのがヨーグルト、そして薔薇!まさしくその二つを組み合わせたのが今回のデザート。
ヨーグルトの真ん中にバラのソースと、バラのロクムが浮かんでいます。
きゅん、とくるなー。ブルガリアずるいなー。と、いつも思うこのバラ攻撃には。
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ご参加のみなさま、気にかけてくださったみなさま、ありがとうございます。
今後ともよろしくお願いいたします。
現在募集中のセルビアンナイトのご予約お申し込みはこちらから↓
https://peatix.com/group/2043652/events
みなさまにお会いできることを楽しみにしております。