サラエヴォごはんを楽しむ夕べinココシバ
3月2日㈯は「サラエヴォごはんを楽しむ夕べinココシバ」で料理を担当しました。
主催の「ぶなのもり社」は『イェレナと学ぶセルビア料理』の出版社。
写真の提供や、最終段階でのレシピ監修に携わった関係で、編集者の小倉美保さんの知己を得、以来大変お世話になっています。
1月の「日本初!バルカン料理本出版記念★Serbian Night バルカンツアー」にもご参加いただき、その席で今回の企画が生まれ、開催の運びとなりました。
会場の Antenna Books & Cafe ココシバは、「ぶなのもり社」が運営する埼玉県川口市のブックカフェ。
打合せに訪問した日はクルドスイーツパラダイスというイベントが開催中。
近隣にお住まいのクルド人による手作りスイーツを楽しみながら、座席を360度取り囲む本棚に並ぶ本を好きなだけ手に取って読むことができるという、非常にキケンな環境。
本好きは、帰宅拒否になること必至。
リラックスした雰囲気で、異文化交流。
知らないうちに心の壁が溶けてなくなるような空間です。
今回のテーマである「サラエヴォからこんにちは」の章の舞台となっているボスニアは、小倉さんの思い出の地。
この章のメニューは、つくり慣れてはいるけれど、あれっ?東京で教わったレシピからマイナーチェンジしてるぞ!ということもあり、本のレシピの忠実な再現となるよう慎重に仕込み。
◆プログラム
・ボスニアについての講演(柴宜弘先生)
バルカン研究の第一人者である柴宜弘先生は、小倉さんの恩師。
著書「バルカンの歴史」は仲間内での読書会でのテーマということもあり、ゲストにお呼びすることが決まった瞬間から緊張と、どきどき。
はじめて使うオーブンの勝手がわからず講演の内容があまり聞き取れなかったのが不幸中の幸いだったかもしれません。
これから出てくるメニューをボスニアで食べた時の思い出や、期待などを語っていらしたそうなので、プレッシャーに負けていたかも。
◆メニュー:
サラエヴォからこんにちは!より
Burek / Bosnian Pie バルカン風うずまきパイ
Begova čorba/ Bey's Soup 族長のスープ
Ćevapi / Balkan Sausage ケバブ
Somun / Sarajevo-style Pita Bread サラエヴォ風ピタパン
Tufahije / Bosnian Style Baked Apple ボスニア風焼きりんご
Burek / Bosnian Pie バルカン風うずまきパイ
ふだんは、丸く広げた生地の円周部分に具を丸く並べて外側から巻き込んでいく作り方をしていますが、ボスニア流は四角く広げた生地の片側から巻き込んでいく方式。
具も、いつもお出ししている挽き肉&ポテト、チーズ&ほうれん草ではなく、この会ではレシピ本掲載のヴェゲタ風味のミートパイをお出ししました。
Begova čorba/ Bey's Soup 族長のスープ
「この味ならすぐに料理店を開ける!」と、光栄にも柴先生にお墨付きをいただいてしまったベゴヴァチョルバは、ボスニアとヘルツェゴヴィナの伝統的なオクラと鶏肉のスープ。
ベグ(ベゴヴァ)は、オスマン帝国時代の地方行政官で、支配階級を象徴する贅沢なレシピ。これにパンとサラダを加えてメインメニューとすることもできます。
日本では整腸作用と豊富なビタミンで人気のオクラは、精力剤として知られているとか。現地のオクラは日本のものようりもサイズが小さく、乾燥したものを水やレモン水で戻して使用するそうです。
調子に乗って、看板メニューにいたします。
Ćevapi / Balkan Sausage ケバブ
Serbian Nightで通常お出ししているメニューは、教わる前にお客様からリクエストをいただき、Google検索したレシピのなかからイェレナに相談して選んだ牛と豚の合挽レシピ。
『イェレナと学ぶセルビア料理』に掲載されたレシピは、なんとなんと100%ビーフの贅沢なもの!
どきどきしながら仕込みましたが、むべなるかな。お客様から大好評をいただきました。
Somun / Sarajevo-style Pita Bread サラエヴォ風ピタパン
こちのピタパンも、Serbian Nightの通常メニューとはレシピ違い。
ふだんはセルビアで食べた風味に近づけるようライ麦を配合していますが、この会は本のレシピに忠実に強力粉100%、打ち粉にコーフラワーを用いました。
発酵のスピードがいつもと違うので、はらはら。
Tufahije / Bosnian Style Baked Apple ボスニア風焼きりんご
トゥファフィエは、ボスニア風焼きリンゴ。芯をくりぬきレモン風味で丸ごと煮込んだリンゴに、胡桃とヘーゼルナッツを贅沢に振りかけ生クリームをトッピング。
しゃくしゃくしたリンゴ、カリっとしたナッツに、ふんわりクリームの複雑な歯ごたえと味のバランスが絶妙なデザートです。
ご参加のみなさま、関係者のみなさま、ありがとうございました。
おかげさまで、ココシバの次回の開催が決まりました。
5月に夏のメニューで帰ってきますので、引き続きよろしく願いいたします。
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ココシバさんのFacebookページにも掲載いただきました。
自分でもつくってみたくなった方はこちら↓から。
『イェレナと学ぶセルビア料理』イェレナ・イェレミッチ著 | DOMACA