セルビアの若手ピアニスト イヴァン・バーシッチリサイタル
11月6日は、在日セルビア共和国大使館で開催された「セルビアの若手ピアニスト イヴァン・バーシッチリサイタル」の第二部懇親会で料理を担当しました。
このお仕事は、数か月前に依頼を受けたときから、とてもとても楽しみにしていた件。
6歳から17歳まで、けっこう真面目にピアノを習っており、スラヴ系の作曲家が大好きだったんです。
準備のため、開場時間前に入館した際はリハーサル中。ヴ―イッチ、ベートーヴェン、ショパン、プロコフィエフなどの妙なる音色を聴きながらの仕込みは贅沢な時間。
バルカンブラスや民族舞踊の音楽とはまた違ったテンション。穏やかにやさしーい気持ちで盛り付けと会場セッティング。
セッティング中の様子を、今回お手伝いいただいた着物写真家の岸千鶴さんが撮影してくださったので、舞台裏をちらっと公開いたします。
テーブル全体のレイアウトを横から確認(撮影:岸千鶴)
盛り付けやテーブルセッティングは、セルビアの料理家やレストランなどのInstagramをフォローして参考にしています。大使館のパーティとしての格を保ちつつ整え過ぎないように注意しています。
そして、日本人のものはあまり見ないように。感性が引きずられてしまうので。
行儀よくビシっと並べてしまうと異国感があまりなくなってしまいます。
大使館職員の方と飲み物の打合せ(撮影:岸千鶴)
テーブルの配置やクロス、食器、カトラリーなどはお客様の人数に応じ、大使館の職員の方と相談しつつ決めていきます。
盛り付けにも手を貸していただき料理がひととおり並ぶと、わたしも乾杯の飲み物を用意するお手伝い。
千鶴さん、ありがとうございます。
◆プログラム
第一部 ピアノリサイタル
◆アーティストプロフィール
イヴァン・バーシッチ(Ivan Bašić)
1996年生まれ。セルビアの若い音楽家の中で最も注目を浴びているピアニストの一人。ネヴェナ・ポーポヴィッチ教授指導の下、ベオグラード芸術大学を優秀な成績で卒業。現在、チューリッヒ芸術大学(スイス)でコンスタンチン・シェルバコフ教授の下研鑽を積んでいる。ヨーロッパを中心にソロ活動だけでなく室内楽も嗜み、数々のオーケストラとも協演。セルビアの著名なヴァイオリニストであるヨヴァン・コルンジア氏とヨーロッパツアーにも参加。国内外のコンクールでの入賞経験もあり、ヨーロッパ各地の音楽祭にも積極的に参加。セルビアの作曲家アレクサンダー・ヴ―イッチ氏の作品を数多く手掛ける。2018年11月には浜松国際ピアノコンクール参加予定。
M. Ravel: Le Tombeau de Couperin - 4. Rigaudon (Ivan Basic)
いいなぁー。きらきらと透明感のある、転がるような音色。
こんな風に弾けるようになりたくて一生懸命練習したのですが、なれないことに気づいて英語学習に方向転換をして、その後も紆余曲折もあって今に至る。なのですが。
第ニ部 懇親会
セルビアのワイン、ラキヤ、軽食。
ワインは土着品種のプログパッツ(赤)と、タミヤニカ(白)。
(撮影:岸千鶴)
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◆メニュー
(撮影:岸千鶴)
・Ajvar / ローストパプリカのスプレッド
・正教会修道院のチーズ
・Grissini / グリッシーニ
・Pain de Seigle / パン・ド・セーグル「シェ・リュイ」
・都筑区のアップルキウイ
・Podvarak / サワーキャベツのシチュー
・ćevapi / ケバブ
・Proja / セルビアのコーンブレッド
・Orasnice / メレンゲとクルミの焼き菓子
・Kolač sa makom / ケシの実ケーキ
・Kolač sa Višnjama / サワーチェリーのケーキ
・Ajvar / ローストパプリカのスプレッド・正教会修道院のチーズ(撮影:岸千鶴)
・都筑区のアップルキウイ(撮影:岸千鶴)
・Podvarak / サワーキャベツのシチュー
いままではカップサラダにしていましたが、今回は趣向を変えてセルビアならではの発酵食のご紹介。サワーキャベツが驚きとともに、初めてのお客様にも受け容れていただけたようです。
・ćevapi / チェヴァピ(撮影:岸千鶴)
チェヴァピはバルカンで人気の皮なしソーセージ。
・Proja / セルビアのコーンブレッド
コーンブレッドもパーティの定番です。
セルビア人のお客様が多い席は、何を使ってるの?どこで買えるの?と、食材の情報交換ができたり、ここをもうちょっとこうしたほうがいいよ、と意見もいただけて有難い場です。
・Orasnice / メレンゲとクルミの焼き菓子・Kolač sa makom / ケシの実ケーキ・Kolač sa Višnjama / サワーチェリーのケーキ
今回特にセルビア人のお客様に好評だったおが、こちらのプチケーキの盛り合わせ。
メレンゲの焼き菓子は、セルビアではコーヒーのお伴の定番。「おっ、何?オラスニツェ?いいねー」とまずはひと口。
「チェリーはこれ、セルビア産?」と確かめながら、ぱくり。
そして、パーティの間に口コミが広がって「まだある?まだある?」と、びっくりするほど好評だったのがケシの実のケーキ。こんなことは、サワーチェリーパイ以来。
大使館でのお仕事の定番デザートになりそうです。
レシピはこちらに載せましたので、気になる方はご覧ください。
そして、『イェレナと学ぶセルビア料理』出版にあわせ、セルビア料理師匠のイェレナ・イェレミッチも来日中!久しぶりに食べてもらって褒められちゃいました。
こちらの本では、わたしもレシピ翻訳と写真提供でお手伝いをしています。
ご参加のみなさま、在日セルビア大使館、セルビア日本音楽交流推進の会をはじめ関係者のみなさま、ありがとうございました。
そして、素敵な写真を撮ってくださった岸千鶴さんにも感謝!
今後ともよろしくお願いいたします。