映画『ミス・ポター』

先日渋谷駅でみかけたこのポスター。
「レニー・ゼルヴィガーまた太っちゃったね」
との言葉に
「本物のビアトリクス・ポターは、あんなかんじだから役作りとしてはあれでいいんだよ」
と答えたらちょっと驚かれたみたい。

星の王子様にハリー・ポッターピーターラビットとくると、「かわいいものが好きなのね」で済まされることが多いのですが、そーゆーわけでもないんですのよ。

星の王子様は童話の形をかりた愛の物語、ハリー・ポッターは少年の成長譚。
そして、ピーター・ラビットはシニカルな弱肉強食の世界を生き抜く、か弱きもの生活を描いています。

ピーターラビットのおはなし」のはじまりは

 あるところに、4ひきの 小さなうさぎがいました。なまえは、フロプシーに、モプシーにカトンテールにピーターといいました。小うさぎたちは おかあさんといっしょに 大きなもみの木のしたの すあなのなかにすんでいました。

 あるあさ おかあさんが いいました。「さあ おまえたち、野はらか 森のみちであそんでおいで。でも、おひゃくしょうさんのマグレガーさんとこの はたけにだけは いっちゃいけませんよ。おまえたちの おとうさんは、あそこで じこにあって、マグレガーさんのおくさんに にくのパイにされてしまったんです」

  どぉ?
すごいでしょ?
ブラックですねぇ・・・・
子どもに読み聞かせちゃっていいのか?こんな内容・・・・
とも思われますが、現実はこーゆー話なのだ。

子猫も、ねずみに”ねこまきだんご”にされそうになったり、そうとはしらずお呼ばれ先で食べたミートパイが禁断の食材でつくられたものであったり・・・・・
彼らはいつも死ととなりあわせ。

 2本足で歩くウサギが青い上着を着ていても、決してあまーい砂糖菓子の世界ではない真実がここにあります。

話はすこしそれますが、フロプシーにモプシーにカトンテール。
この最後のカトンテールは原語でCottontail。
"綿のしっぽ"という意味。

ハリー・ポッターファンのみなさま、どこかで聞いたような名前だと思いません?
ハリーの両親を裏切って、ネズミに姿を変えて身を隠していたワームテール。
彼の名は言語ではWormtailと書きます。
"みみずのしっぽ"=ネズミ。
こんな言葉遊びは英国文学の特徴です。
日本語にそのニュアンスまで伝わるように翻訳するのは難しいだろうけれど。。。。
指輪物語」や「ナルニア国ものがたり」の瀬田貞二さんは、そのへん素晴らしいっす。

話はピーター・ラビットに戻ります。
このお話は、彼女がノエル君という少年に宛てて書いた手紙から生まれています。
写真中央がノエル君。
右がビアトリクス・ポターです。

ちなみに、「くまのプーさん」は、ミルンが息子のクリストファー・ロビンに、「不思議の国のアリス」はキャロルがアリス・リデルに宛てて書いたお話。
このあたりも英国文学によくあるパターンです。

おっと、ここから先の彼女の半生を説明してしまうと映画の内容をそのまま明かしてしまうことになる・・・・・

彼女を支えた編集者はユアン・マクレガー、監督はベイブのクリス・ヌーナンだそうな。
そして、撮影は現存しているピーター・ラビットの舞台で行われています。
そして、今も絵本そのままの世界が保存されている理由は、彼女がナショナル・トラスト運動を支援、推進した功績によります。

これ見なくっちゃ。
湖水地方にも、いつか行くぞ~♡


予告編:


Miss Potter (2006) - trailer