ステップアップクラス(フォーティファイド・ワイン)

 今回のテーマはフォーティファイド・ワイン。
と言ってもワインになじみがない方にはピンとこないかな。
日本語で言うと酒精強化。
まだまだわからんよね。

私の中では、海の男のワインたちというイメージ。
海賊達が呑んでいるのはラムだけど、これは原料がブドウではないのでまた別の機会に。
ポートはイギリス海軍東インド会社のイメージね。
実際はスペインやボルドーとの戦争中にワインが入手困難となった英国がポルトガルで開発したワイン。
シェリーやマディラも大航海時代に世界の海を駆け巡ったワインたち。
宮廷で好まれたボルドーブルゴーニュシャンパーニュとは違うワイルドな魅力に溢れます。


ブランデーなどを添加(酒精強化)してあるため、アルコール度数も16~22度と強く、カァ~ッとくるので気をつけて(笑)

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まずはスペインのお酒、シェリー3種。
左から辛口のフィノ、それを長期熟成させたアモンティリャード、そして甘口のオロロソ。
ソレラシステムというピラミッド型に樽を重ねて、木肌からの蒸発により減ったワインを下へ下へと足していく熟成方法は面白いのだけれど、薀蓄として語れるほど詳しくないので、個人的な話を。
私の初シェリーは、初めてのヨーロッパ旅行。
シャンソンを聞きにいこう」と出かけたパリの”ラパン・アジル”であま~いお酒が出てきました。
「おいし~!!これ何?」と友達に尋ねたら帰ってきた答が「シェリーだよ」。

だから、私にとってシェリーは甘くて美味しいお酒なの(笑)
辛口の味を知った後でもブラインド・テイスティングでは甘口のオロロソにハートがつきます☆
香りの第一印象で「奈良漬」と思ってしまい、頭の中は奈良漬一色になりましたが、講師の解説によると”モカ、チョコレート、カラメル、コーヒーの香り”も。
まろやかな酸味とほんのりとした甘みと渋み。余韻が長くて、んまい!


こちらはポルトガルのマディラ、ルビー・ポート、トゥニー・ポート。
”てんとうむし的格付け”でハートをふたつつけたのはマディラ。
「これ、カカオだっ!」と感じたら、Love!を感じる。
そして、老香(ヒネカ)という長期熟成特有の日光香=マディラ香も。
豊かな酸味とほのかな甘み、そして渋みもちゃんとあって長い余韻。
このマディラ香は、大西洋で醸造したワインが赤道を超えて欧州に戻るまでの熱い船底の環境がつくりあげたもの。
ぐびっと呑むと、気分はジャック・スパロウ船長ねっ!

そして、ルビー・ポートにもハートひとつ。
第一印象はインクの香り。
そして、なぜか「朝顔の汁」と思ってしまった。
頭の中は「蜜、つゆくさ、青い花」でいっぱい。
ソムリエ的に表現すると、赤いフルーツ、グレープジュース、メントールの香り。
ブドウ本来の豊かな甘みとかすかな酸味、なめらかなタンニン、豊かなアルコールによるコク、そして長い余韻を持ちます。


料理はスペイン風。
オリーブやイベリコ・ベジョータなど。