ワイン好きにはたまらない小説 * 双頭の鷲

 

双頭の鷲(上)(新潮文庫)

双頭の鷲(上)(新潮文庫)

 

 

久し振りに読むテキストやワイン雑誌以外の本。
といってもフランスが舞台の佐藤賢一氏の小説。
ワイン好きにもたまらない小説です(^^

それはボルドーがイギリス領だったころのお話。
フランスが小国に分かれていて、土地を治める貴族たちはイギリス王太子派とフランス国王派にわかれ、地酒を飲みながら(笑)戦争を繰り返します。
主人公のベルトラン・デュ・ゲクランは預言に従ってフランス王に仕えます。ブルターニュ出身で、ブドウの酒なんて気取ったものは性に合わない!!林檎酒はないのか?ってな具合。
私は敵方のガスコーニュ出身、グライー贔屓。彼は戦場に赴くときもボルドー銘酒の皮袋を手放しません。
コニャック伯、アルマニャック伯も出てきますよ~。アルマニャック伯の陣営で”銀杯に少量注がれたのは、濃密な香りを漂わせる蒸留酒であった。伯の領国は北のコニャック、南のアルマニャックと並び称される銘酒の里である。地酒は荒さを残した味わいで、かえって無骨な武人たちに好まれていた。”
そして、イギリスの王太子の爺や、老獪な大元帥は、故郷イギリスの実直な麦の酒がよいそうな。

 

双頭の鷲(下)(新潮文庫)

双頭の鷲(下)(新潮文庫)