Fugoによるセルビア民族音楽

f:id:ladybug-noriko:20201123220209j:plain



 11月22日㈮、24日㈰の『セルビアと日本の魂の交流』コンサートに先立ち、21日にセルビア大使館で「Fugoによるセルビア民族音楽」イベントが開催され、懇親会の料理を担当しました。

 

大使の挨拶

Fugoはセルビア在住の竹下史子さん、アレクサンダー・ペトロヴィッチさんによるデュオ。

竹下さんによる第一部の「セルビア民族音楽・舞踊 多様性と特徴」の解説では、目からウロコがぽろぽろ。セルビアアコーディオンは民族舞踊の伴奏という役割を持つため演奏は常に一定のリズムを刻む必要があるそうです。そのため音に表情を持たせるには強弱などによらず、譜面に表されていないトリリングで弾き手の個性を出すということです。うわぁ、バルカン音楽の超絶技巧のルーツはそこだったのか!と、長年の疑問が解けてすっきり。

ほかにも、♪バナナタベタイ♪と拍をとる(!)7/8拍子や、長調短調が入り混じる曲調など、カルチャーショックを愉しみました。 

続きを読む

Serbian Night 番外編「バルカンのラキヤとワインでセルビア料理を楽しむ会」

f:id:ladybug-noriko:20211031141935j:plain

数か月前に、いつもお世話になっている方が、いただき物のセルビア産ラキヤと、ブルガリアワインをいつどこで開けようかと迷われていました。

 

愛用のソムリエ教本にセルビアブルガリアの記述はなく(10年以上前の版なので今は変わっているかもしれません)ワイン法の知識はありませんが、経験で美味しいことは知っています。「ぜひ、セルビアンナイトで!」と、立候補。快諾いただき「バルカンのラキヤとワインでセルビア料理を楽しむ会」の企画が立ち上がりました。

 

昨年出版された「ワインの世界地図-56カ国92地域のワイン産地の歴史と現在-」によると、セルビアはフランスのボルドー地方、ローヌ地方とほぼ同緯度に位置し、紀元200年頃にローマ皇帝プロブスによりシルミウム(現在のスレムスカ・ミトロヴィツァ)周辺に最初のブドウが植えられたと伝えられているそうです。

ブルガリアはイタリアのトスカーナ地方やスペインのリオハ地方と同緯度に位置し、紀元前3,000年からトラキア人によるワインづくりがはじまりました。

両国ともイスラム教の戒律によりオスマン帝国統治時代にワイン造りが衰退したものの、オスマン帝国からの自治、独立とともに復活したワイン産業は繁栄をむかえ、生産量は同書の世界ランキングでセルビアは15位、ブルガリアは22位を占めています。

  


もう一方の主役、ラキヤはバルカン地方で主に果実などからつくられる蒸留酒。日本では隣国のクロアチア産やモンテネグロブルガリア産の製品が輸入されていますが(フルーツブランデーに分類されていることもあるようです)、セルビア産はなかなか手に入りません。そのうえ、最上と言われる自家製を日本で手に入れるのは至難の業。 

今回はお客様がセルビアのグーチャ村の民宿で譲り受けられたものに加え、語学留学中の共通の友人から託されたニーシュの自家製ラキヤの2本が並びました。

なんて贅沢!

 

続きを読む

3人のピアニストを囲む夕べ

f:id:ladybug-noriko:20201124200845j:plain



11月4日の、めぐろパーシモンホール「3人のピアニストが奏でる音の輪」コンサートに先立ち、11月1日にセルビア大使館で「3人のピアニストを囲む夕べ」が開催されました。 

出演アーティストの井尻愛紗氏は、ロンドンを拠点に世界的な活躍をされているピアニスト。セルビア出身の、Sonja Lončar(ソニャ・ロンチャル)、Andrija Pavlović (アンドリア・パヴロヴィッチ)両氏によるピアノデュオ LP DUOとともに来日。

 

1日のプレイベントで懇親会の準備のため早めに会場入りしたところ、ちょうどリハーサルの終了間際にあたり、漏れ聴く音色にうっとり。

第一部の演奏と、4日のホールでのコンサートを聴く機会にも恵まれ、3人のピアニストが繊細に、そして力強く、奏でる音の輪により、弱気の虫やら、もやもやとわだかまっていたものが浄化。心に力を得ました。

続きを読む