2019年6月 プライベート・シェフ出張
セルビアからお迎えするお客様を囲む席にセルビア料理の軽食を、とケータリングのご依頼をいただきました。
打合せに向かった会場は、銀座の由緒ある店舗。深く考えると緊張がつのって味に影響が出るので、こんな時こそマインドフルネス。極力淡々と無の境地でいつものように仕込み。
バルカン料理を仕事にするうえで尽きない悩みは、大きな型を見つけること。
カイマックなど、一部の限られた食材以外はセルビア国内よりも割高になりますが、何とかならないこともありません。
けれども、現地で目にする業務用サイズの型は、日本人にとって洗面器ですか、タライですか、というサイズ感。何でどう代用するのかが悩みどころ。
1mほどの麺棒はアメ横でも見つからず、ホームセンターの木材売り場で。
4×4cmサイズで30人分を一度に焼くために見つけたパイ型は、IKEA製のバット。両側に持ち手もついて、使い勝手もなかなかGood。いろいろ探してみるものです。
クグロフは、焼きたてよりも数日おいて味が馴染ませてからのほうが美味しい。
30名様の会なので、古道具屋さんで見つけた、いつもよりひとまわり大きな型で焼き上げました。
オラスニツェは、味はぴたりと決まるようになったけれど、形がまだまだ不揃いなのが悩ましい。
あのベタベタした生地をどうやって扱えば、うまくいくだろう。
納得いくまで、試行錯誤は続きます。
当日は、会場シェフの胸をかりるつもりで料理を持ち込み、ご厚意に甘えて盛り付けを勉強させていただきました。
◆メニュー:
・Domaći Ajvar / 自家製パプリカペースト
・Pečene Paprike / ローストパプリカのマリネ
・Cevapi / 皮なしソーセージ
・Gibanica / バルカンのチーズパイ
・Katicin kuglof /カティツアさんのクグロフ
・Orasnice / メレンゲと胡桃の焼き菓子
・Domaći Ajvar / 自家製パプリカペースト
・Cevapi / 皮なしソーセージ
・Pečene Paprike / ローストパプリカのマリネ
・Gibanica / バルカンのチーズパイ
・Katicin kuglof /カティツアさんのクグロフ
・Orasnice / メレンゲと胡桃の焼き菓子
お料理を出し終わった後はオペラのアリアに酔いしれ、何日か分を生きたような
密度の濃い1日。
この機会をいただいた幸運を生かし、さらに励まねば。
ご参加の皆さま、関係者の皆さま、ありがとうございました。
今後ともよろしくお願いいたします。