2016年11月 はちみつ紀行・養蜂場の冬支度

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ミツバチが減っているという話は耳にしますよね。 日常生活を送るうえであまり実感はありませんでしたが、昨年訪れたセルビアでは、市場でも牧場でも一般家庭でも、ありとあらゆる場所にハチが飛び回っており、日本の蜂と蚊と蠅すべて足してもかなわないほどの印象。たしかに日本は少ない、と感じました。

 

今回、養蜂大家国スロベニアに行くにあたり、養蜂家さんにハチミツの買い付け相談をしていました。

 

 

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スロベニアのストゥルニャンで撮影した上の写真、Spruce(マツ科トウヒ)の蜂蜜は日本では見られないそうです。

花といえばバラやユリ、ヒマワリなど赤や白や黄色、ピンクなど鮮やかなものをしか頭に浮かびませんが、人の目には見落とすことがほとんどの針葉樹の花もミツバチには貴重な蜜源。

 

「松のハチミツは日本にありますか」という養蜂家さんへ質問すると「甘露蜜という、松等、針葉樹につくカイガラムシの甘露をミツバチが集めてハチミツ化したものならば日本にある」という高度な回答。

に目がテンになったりも。舐めてみたいような、みたくないような。。。。

 

ちなみにこのマツ科トウヒは、グランドピアノの音を反響させる重要な部分である蓋として最上級の木材だそうです。

 

そのとき買ったはちみつはこちらの記事で↓

クロアチア&スロベニアツアー【Day5】 - Letters from the "Serbian Night"

 

 

その養蜂家さんと知りあったのは、セルビア旅行の後。

見学用にガラスを張って内部が覗けるようになっている巣箱を定期的に見せてもらう機会がありました。

食の紀行・チャイ部 - Letters from the "Serbian Night"

 

蜂に対する親近感が増していたところ、採蜜のワークショップが開催されるということで、3月から5月にかけ参加。6月にはワークショップで作成した巣枠の後を訪ねて、三浦半島の養蜂場と蜜源の森の見学に行きました。

 

今回はアドバイスのお礼にスロベアニア土産を持参して、三浦の養蜂場へ。

ロマテラピーインストラクターの方も、化粧品の原料としてミツロウの買い付けと見学に来ていました。

 

巣枠の外につくられた「ムダ巣」の部分はミツロウの原料となります。

褐色に見えて底が黒い部分は育児に使われたところ。

白っぽい部分は蜜を溜めただけのところ、などの説明を受けます。

 

 

 

私にとっては蜜の入った「巣蜜」の部分はご馳走。

空のところも「食べても美味しいところ」なんですけど。。。。

 

 

燻煙器でコーヒーの袋を燃やして煙をつくり、「これから開けますよー」と、巣箱に煙をかけます。

 

 巣箱の入り口には初夏にはなかったスズメバチ対策のトラップがありましたが、これもそろそろ終わりらしい。蜂さんたちの冬支度の様子を見学。採蜜体験でつくった私の名前入りの巣枠入りの巣箱も別の場所から移動しており、比較的温暖なこの場所で越冬するそうです。

 

ぶんぶん飛び交う羽音に囲まれて巣箱オープン。羽音で蜂の機嫌がわかるということで、きょうは悪くないらしい。

匂いで蜂のコミュニケーションを混乱させないよう香水はつけない。出入り口を塞がないよう、巣箱の正面には立たない。肌を露出させない。など、注意しなければいけないことはあるけれど、蜂=すべて怖い、から、蜜蜂=可愛いになりました。

 

 

春のワークショップで私の名前の焼き印を入れた巣枠も現役

 

 

蜂がたくさんいる巣枠に女王蜂がいます(びびってカメラの焦点があっていませんが)。わかるかな?

 

背中についた白い点は養蜂家さんがつけた目印。

働き蜂と同じ幼虫がローヤルゼリーを食べて育つと女王蜂になるのだそう。

 

巣箱を見せてもらうようになって1年。同じ場所でも季節によっても、採蜜からの期間でも味は変わる。養蜂家のこだわりの部分によっても味は変わるので、ワインづくりと似た側面も感じます。

 

植物相手のワインとちがい、こちらは相手が生き物。

家畜なんだなー、と感じる部分もあり、ハチミツって面白い。

 

蜜源の確認で小網代の森へ。ここは渚から森までひとつづき。

 

樹や草の開花状況を見て、蜂に与える餌などを判断

 

もうひとつの拠点であるSYOKU-YABO農園へ移動し、そちらの養蜂場も見学。

 

 

SHYOKU-YABO農園のランチ(蜂蜜は別)

 

 

学びの一日をありがとうございました。

海岸沿いのドライブで潮風欠乏症も解消。

しばらく元気でいられそうです。

 

 

serbian-night.com