2016年6月 岩手県陸前高田市(田植え)
今年も陸前高田で田植えをしてきました。
毎年伺っているのは米崎町の金野さんの田んぼです。
2011年には津波の被害を受けましたが、震災の10年ほど前から実践していた無農薬栽培のおかげで土に力があったようです。
地表から15cmほど下の土の匂いを確かめ、すぐに稲作再開に向けて動き出し、同年の春から田植えを行ったそうです。
その姿に感銘をうけたボランティアが年々増え、私は2014年からお手伝いに行っています。
ボランティアによる手植えの田んぼは2枚。
まず今年の作業手順の説明を受けます。 「でも、まずはお餅食べてから」と、金野さんからの有り難い差し入れ。
手作りの柏餅と大福のふるまいを受けました。
手作りの柏餅(和菓子屋さんで見慣れた柏よりギザギザの葉)
大福も手作り(山椒の枝は虫よけだそうです)
昨年の様子(撮影:Michael G)
昨年の様子(撮影:Michael G)
田んぼに横一列に並び、一同がタイミングをあわせて苗を植えていきます。 植えている私たちも楽しんでいますが、田んぼの目の前を車で行きかう地元のみなさんも止めて声をかけていったり、車中から手を振ってくれたり。
稲作は日本人のDNAに特別なものとして刻み込まれ、田植えはお祭りのような華やぎの行事であるのだと改めて感じました。
午前中の作業を終えると、どこからか現れた2頭の小鹿。
愛らしい姿に夢中で撮影したけれど、植えた苗が食べられないか心配。。。。
「苗は食べない。食べるのは虫」と聞いてほっとしました。
無農薬・無肥料の田んぼには、ほかにもオタマジャクシやアメンボなど、たくさんの命があふれています。
私たちがいなくなるとカラスやカモメもやってきて、うーん、やっぱり狙われています。
そして、まっすぐ植えるのは難しい。
昼食は自家製の蕎麦粉による十割の手打ち蕎麦と、蕎麦がきのおもてなしをうけ、自給自足という言葉でくくってしまうには勿体ない、本来の「食」の豊かさを感じました。
ほんの2.3年の田植えと稲刈りのお手伝いだけでも、良い年、悪い年があるのを肌で感じることができ、深い学びの経験となっています。
今年は豊作でありますように。