2015年9月 セルビア(ノビ・パザ、ムスリムの家庭料理)

この日の最初の目的地はソポチャニ修道院

十字を象った墓石に囲まれた石造りの教会は、幼いころに手にした絵本の挿絵を思い起こさせます。
全身を耳にして、ガイドのタマラさんの早口の英語での解説を必死で聞きましたがメモをとらなかったのが悔やまれてなりません。

そのときは分かったつもりでも、記憶の風化はすさまじい。

帰国後に学習を重ね、13世紀に建てられた世界遺産にも登録されている修道院だと改めて知りました。

 

 

16世紀以降、オスマントルコ帝国による度重なる破壊と修復が重ねられたという堂内は、朽ちたフレスコ画さえ美しく感じられる厳かな佇まい。

 

宇宙人の襲来?とも思われる不可思議な墓石たち。 

詳しくは別記事にて。 

ソポチャニ修道院 - Wikipedia

 

 

 

昼近くに到着したノビ・パザは、ムスリムの多く暮らすセルビア南部の都市。

オスマントルコの影響を強く受けた街並みに、縄をつけた羊をひく男性の姿が見られ、さすがトルコの近くは違うよなー・・・という印象を持ちましたが、あまりの多さに、あれっ?それ以上に何か特別な理由が??

 

ちょうどこの日は、バイラム(犠牲祭)というイスラム教の祝祭日の前日にあたり、羊は翌日の捧げものなのだそうです。ドナドナと、荷馬車で揺られていた理由に納得がいきました。

 

街の中心部で老舗のパン屋さんを見学。

 

窯の前で店主の説明を聴きます。

店主の体格もいいけれど、パンも大きい!!

 

軽快に仕込みをする陽気なおじさん達。

 

精肉店の肉は、もちろん枝肉。

薄切りやミンチにするのは家庭で、というのが当たり前。

 

青果店の色鮮やかなフルーツ。

 

 

https://www.instagram.com/p/8m3uG3QNcI/

underneath black robes.ノビパザにて。ムスリム女性の黒衣の下のヒミツ。#典子食堂 #セルビア #Serbia

宝飾店も立ち並び、14金製品がショウウィンドウを飾ります。

ムスリム女性のヴェールの下は、すごくお洒落らしい、という噂は本当なんですね。

 

 

 

マーケットの水飲み場もトルコ風。

 

果物の量り売りはキロ単位。

1キロが50ディナール、ということは、およそ80円。

キズや傷みのある実も混じっていますが、ひとつひとつ見定めて選べるので問題ない。

出荷前に選別しロス分が価格に上乗せされる日本のシステムより、却って合理的と感じます。

 

キッチン道具を買った店のおじさんは、日本から来たと聞くと大感激。

 

 バイラムのお菓子をふるまってくれました。

 

いま思い出しても、荷物になるからと買わなかったことを悔やまれるケーキスタンド。

 

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そしてこの日のメインであるサファさんのお宅へ。

 ムスリムの家庭料理を教えていただきます。

 

https://www.instagram.com/p/8mojWiQNax/

上手すぎて、はじめ気づかなかった。ヒゲはダメよ。#典子食堂 #セルビア #Serbia#レンブラント

主であるサファさんは風刺画家。

ソファ脇にさりげなく置かれたレンブラントの画集・・・・には、悪戯書きが(笑)

 

 

Novopazarske mantije /

教皇のロープのミートパイ(マンティェ)

 

いままで教わった中で、三本指に入るほど手間のかかったのがこのマンティエ!

それだけに忘れられない味でもありました。

このお姉さん印の小麦粉が主流のようです。

 

粉を練り

 

丸めて

 

等分に分けて

 

具の挽き肉も用意

 

等分に分けた小麦粉をそれぞれ伸ばしてオイルを塗り 

 

重ねます。 

 

 重ねたものをテーブルいっぱいに伸ばし

  

小さく切って、それぞれで具を包む気の遠くなる作業。

 

丸めたものを隙間なくバットに並べ

 

たっぷりバターを塗り、オーブンに入れます。

サファさんのお嬢さんも、アシスタントで参加。

 

ムスリムの家庭にセルビア正教徒が入ることは滅多にないそうですが、日本人が料理を習いに来た、ということで可能となったワークショップだそうです。

 

そして試食。

あらかじめ作っていただいてあったスープと

 

鶏の土鍋焼き

 

焼きたてのマンティエ

 

バクラバ

 

 

一緒に料理をする、という行為は国境も宗教も超える。

という経験をこの旅で何度も重ねましたが、内戦を経たこの国で仏教徒の女性の持つソフトパワーを強く感じた日でもありました。

 

そんなつもりじゃなかったんですけど。

楽しく料理を習って、美味しく食べて。

お礼に折り紙を渡しただけなんだけど。 

 

同じ国の中だからこそ超えることが難しかった宗教という名の壁を、乗り越えるお手伝いができていたようです。

 

いつかまた、この笑顔に会える日が来ますように。

旅はまだまだ続きます。

 

serbian-night.com

 

ツアー主催者HP:

tour2 | Taste of the Balkans