2013年1月 庖丁式(横浜三渓園)

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料理上達祈願に初詣に行くにはどこがいいんだろう? と年末にFacebookに書き込み。

コメントで知った青物横丁にある 荒神様「千躰荒神王 海雲寺」に初詣。

「ご家庭で一番大切な火と水をお守り下さる神様で お祀りすると一切の災難を除き衣食住に不自由しません。 家内安全 火災消除 商売繁盛を祈って火を使う所にお貼りください」というお札をいただき、ありがたや、ありがたや~。

 

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そして、念願の庖丁式が お正月に横浜本牧にある三溪園で行われると知り、行ってきました。

会場の鶴翔閣は原三溪の私邸。お正月など特別な時期のみ公開される場所で 「いつかきっと」と思っていたことがふたつ重なりました。 

 

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すこし迷子。

原三溪の晩年の私邸がある内苑のほうかも、と御門をくぐってみる。

 

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右手の建物がその白雲邸。

でも静かな雰囲気で、どうもここじゃなさそうだ。

 

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奥に進むにつれ静かさが増して、ちょっとまずいなぁ・・・とUターン。

 

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記念館の方に鶴翔閣は外苑のほうだと聞き焦って到着。

15分前ではすでに正面の席は満杯。

窓際のななめ後ろに場所をとることができました。 白い布のかけられた足つきのまな板の右手には包丁が用意されています。 あれ使うんだな。

 

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初めて見る包丁式は古式ゆかしい伝統儀式。

雅楽の調べにのった解説により包丁式の歴史と手順の解説がありました。

平安時代天皇の御前で行われたのがはじまり。

のちに高貴な家の主人が客人をもてなす儀式となり、 明治直前まで徳川将軍家でも行われ、現在まで続いているそうです。

使われる食材はさまざま。

手を用いずに"まな箸"と包丁のみで行われるため、神事であるだけではなく、 衛生を旨とする料理人にとっても大切な儀式であるということです。

 

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まな板をあらためる役、清める役、包丁を運ぶ役、などが登場。

塩で清めた後、祈祷・・・かな?

来る前はアクロバティックなイメージがありましたが 茶道のお点前のように粛々と進みます。

 

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庖丁はまな板の所定の場所に包丁をおさめられました。

なるほど 左手前なのですね。

 

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今回は鯛が使われました。

鯉や鶏なども使われ、江戸時代までは将軍の御前で 鶴の包丁式なども行われたそう。

 

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脇に控えているそれぞれの役の方もたすき掛け。

主役の登場。 一同食材に対して礼を捧げます。

この礼は観客ではなく、命をいただく食材に対して行われるもの。

その説明を聞き、食品会社に勤める者として、あらためて心の襟を正す瞬間となりました。

 

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雅楽のいよいよ鯛がさばかれはじめます調べにのって、 包丁とまな箸をそれぞれあらため いよいよ鯛がさばかれはじめます。

 

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鯛の口と尾が結ばれていた金銀の紐に包丁がいれられたこの瞬間

雅楽も止まり 会場の空気も張りつめました。

 

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私も心臓の鼓動を感じながらカメラのシャッターを切りました。

 

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頭を船首、尾を船尾に見立て、半身で宝という文字、 残りの半身を白波に見立てて盛り付けているそうです。

 

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完成後、一同礼となったところで会場の空気がゆるみました。

 

 

  庖丁式のあと、鶴翔閣の他の部屋の見学へ。

多くの画家が客人として滞在したという奥の客間にはこんな庭が。

原三溪が収集した美術品が収蔵されていたという蔵も復元されていました。

 

茶の間、といってもひろーーーい。

 

 

ふたたび会場に戻ってきたらゆっくり写真が撮れました きれいに「宝」という文字がのった宝船になっています。

 

行ってよかった。

庖丁式、また行こう。