ぶあいそうな森にて

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幼いころ母の読みかけの『クロワッサン』を手にとると 時々出てくるミッソーニを着て大きなサングラスをかけた ちょっと怖そうなおばサマ。

それが私にとっての白洲正子でした。 大人になってからも書店で時折目にする 白洲正子の世界・・・ キケンだ、知ったらきっとハマりそう。 と遠ざけていましたが・・・・

 
  
次郎と正子―娘が語る素顔の白洲家 (新潮文庫)

次郎と正子―娘が語る素顔の白洲家 (新潮文庫)

 

数年前に書店で目にしたこの本の 表紙の笑顔誘われて手にとってしまったのが運のつき・・・・

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 「何かが変だ」  それは、私が何歳の頃からか、自分を取り巻くまわりの世界を意識するようになった時に感じはじめたことです。

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という書き出しにひきこまれ、娘からみた白洲次郎と正子の素顔の魅力に はまってしまいました。

 

 

GHQに「従順ならざる唯一の日本人」と言わしめた次郎さんも 稀代の目利きの正子さんも、 確かにかなり変わっているけれど、 子供目線から見る親の理不尽な論理は 私にも心あたりのある(笑)どこの家の子どもにも共通するものなのかな~・・・と 親しみを感じたりして。

それから興味を持って次郎さん本を何冊か 読んだら、あらら、本当にすごいお方だったのですね~!!!

 

白洲次郎 占領を背負った男

白洲次郎 占領を背負った男

 
 

 

戦後政治に次郎さんが果たした役割に詳しい本。

プリンシプルのない日本 (新潮文庫)

プリンシプルのない日本 (新潮文庫)

 

 次郎さんの執筆集。 正子さんによると「まことにプリンシプル、プリンシプルと毎日うるさいことであった」だそうで(笑)

 

 

風の男 白洲次郎 (新潮文庫)

風の男 白洲次郎 (新潮文庫)

 

 

正子さんが次郎さんの語録を遺す目的で手がけた1冊。 最も有名なのは「葬式無用、戒名不用」かな。

正子さんは相変わらずのキケンゾーン^^;

 

白洲正子自伝 (新潮文庫)

白洲正子自伝 (新潮文庫)

 

  

1月に横浜そごうで開催されていた『白洲次郎と正子展』では わずかな時間のなか、急ぎ足でしたが正子さんの審美眼と 桂子さんの料理に魅了されて帰ってきました。

うーん、やはり武相荘に行かねば・・・・

(正子さん、次郎さんのウィキペディアのリンクは こちらこちら)

 

ということで、猛獣のようにやってきた3月に ぽっかりあいた半日の自由時間で行ってきました。

ご興味のある方は休館日や開館時間など ご確認くださいませ^^

 

町田市指定文化財なのだそうです。

 

チケットとお土産はこちらで~。

 

長屋門をくぐるとすぐ見える休憩所では ダンディーな次郎さんがお出迎え。

 

 

白洲次郎と正子展』で展示されていた次郎さんの洋服に 着せられていたトルソーが負けてブカブカだったのが印象的。

1902年生まれで185cmの長身。 アングロサクソン系にも見劣りしないもの 「こちら(日本)も次郎さんくらい出しておかねば」と 終戦後に外交団のメンバーに選ばれたというのも納得ですね。

 

なんて、歩いていると松笠を抱いた水道。 正子さんが選んだのかしら。

 

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水盤にうかぶ椿は 偶然でなく演出なのでしょうね~。

 

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第2ギャラリーの下には農具とともに次郎さんの大工仕事で 「シラス」とくりぬいた文字が微笑ましい。

 

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向かいのクリスマスローズの群生に見とれながら まずはお茶処に直行。 チケット売り場で 本来ならば24個のみ完全予約制のお弁当にキャンセルがあったのかな 1食だけ余裕があるということだったのです^^

 

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じゃーん。

青山「レ・クリスタリーヌ」より取り寄せ おふたりの娘である桂子さんレシピによる白洲家の料理の再現メニューも 含まれています。

おいしかったよぉ。

 

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おなかも心も満ち足りてお庭を歩くと 母屋の向かいには竹林。

 

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苔むした石塔も ため息が出るほど素敵なのです。

 

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イギリスに留学した次郎さんと アメリカに留学した正子さんが1943年から暮らした家は 茅葺屋根の農家でした。

 

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入口の壷花もいちいち素敵なのです。

入ってすぐの土間部分は リフォームにより大きなソファーを配した リビングになっていました。

 

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室内はポストカードにて。

正子さんの収集した着物や 桂子さんの料理も並べられていました。

3月だったので正子さんが薩摩から持ってきた お雛様も飾られていました。

 

 「いつも机に向かって何か書いている母親なぞいらない、 おにぎりを作ってくれるお母さんが欲しい、 と私はいつも思っていました。」 と桂子さんがその著書で書かれていますが、 こちらに背を向けて原稿用紙に向かう 正子さんの背中が見えるようです。

 

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室内よりのぞむ庭はこんなふう。

 

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上の写真で左い見える椿は入口のものより小ぶりの花。

こちらは侘助(わびすけ)という種類かな。

椿マニアだった母に聞かされ 子ども心に「おもしろい名だな~・・・」と覚えました。

 

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裏手には散策路があるみたい。

行ってみよう。

鈴鹿峠」とは、次郎さんと正子さんの新婚旅行の思い出にちなんで 名づけられたそうです。

 

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丘を登ると石仏が迎えてくれました。

 

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ぐるっと裏の林もまわり

 

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母屋の裏手へ降りてきます。

これほど素敵じゃなかったけれど 私が幼い頃の父の実家も茅葺農家だったので 懐かしい気分。。。。。

 

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来てよかった~。

 

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休憩場の下に見えるのは桜だったかも。

今頃満開かなぁ・・・ お土産を買って帰りましょう。

 

選んだのは前記事にも載せたこちら。 室内と愛車ベントレーのポストカードと 南部鉄器のろうそく立て。

 

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うーん、やっぱり正子さんにハマりそうだ。。。。

桂子さんのお料理本も買わなくっちゃ。

 

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帰途の信号待ち。 辛夷(こぶし)が見事だったのでパチリ。

そして、ラジオで大礒の吉田茂邸の火災を知ったのでした。。。

えーーーっ、行ってみたかったのに。

残念。

 

では、また。

 

 

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