葉山の海を見ながら * 秋野不矩展
ピィィーヒョロォォーと 高みで鳶の声がする 葉山の空。 ==== 駐車場の入口で 「お子様はご一緒じゃないんですか?」と尋ねられ 思わずバックシートを振り返る。 このあたりは鎌倉在住の友達に連れてきてもらうことが多いのですが ルート検索をして「大丈夫そう」と確認をし、 でもやっぱり疲れていたら行かないかも と迷っていたドライブ。
朝食の後「やっぱり行きたい」と出てきたから 今日の連れは彼らだけ。
なるほど。 神奈川県立近代美術館葉山館は 毎月第一日曜日を「ファミリー・コミュニケーションの日」としていて 18歳未満の子供連れだと入館が無料なんですって。
きょうは秋野不矩展の最終日。
人柄が偲ばれるような 観る人を包み込むような 大らかでやさしい色彩。 褐色の肌、テラコッタの壁、黒い牛のインド。 初めて観る絵なのに懐かしいような気持ちがするのは何故だろう。 ううん、初めてじゃないかも。 幼いころに彼女の挿絵の絵本を読んでいたような気もする。。。。
遅いランチは海が見える美術館のレストランで。
料理が運ばれてくるまでは 『マティスとボナール展』の図録を眺めていましょう。 買いそびれていたものを 次に来た時にミュージアムショップで買おうと決めていました。
目の前をよぎる黒い影は 大きな鳶。 食べ物を狙うのでテラス席ではドリンクとデザートしか出せないのですって。
きょうはハンバーガー。 フレンチフライもたっぷりで嬉しい。 食後に甘いキャラメルコーヒーを飲んで 充ちたりた気分。
食後は美術館裏手の散歩道へ 階段を降りて 感じる秋の気配。
松笠は緑だけでなく
すでに落ちているものも。
しおさい公園の脇をぬけると
目の前に広がる砂浜。
鎌倉や葉山へは時々来るけれど 砂浜まで降りて来るのは久しぶり。
砂山を目にして何故か 先ほどの展覧会でふれた 秋野不矩の言葉を思い出す。 「私は日頃思う、頭で考えるより体で行う中で識ろう」
「凡てを享受しておそれない心で絵をかき度い、祈りながら。」
うん、そうだよね、って思った。 大らかでいこう。 無理せず背伸びせず、その時々で出来ることをやっていけばいいのかな。
ひとつ大きな深呼吸をしたような 何も変っていないけれど 何かが変わったような午後。
さぁ、戻らなくちゃ。 そうこうしているうちに 駐車料金がカウントアップしてるよぉ。。。
美術館の裏手へ戻ると
ご主人の帰りを待つ誰かと目が合って
私も家へ帰りましょう。 渋滞になる前にまっすぐね。
逗子をぬけて横浜横須賀道路へ向かうよ~。 では、また